ウェブログ・ココログ関連

2006.09.14

ココログ出版でブログを本にした

 ブログを本にした。ただし、このブログではない。もっと写真が多くて文学的なコンテンツを本にした。感想レポートを書いておく。

Book1


 利用したサービスは ココログ出版 。ココログユーザーだけが利用できるサービスだ。(ココログフリーは不可。)

 このサービスを選んだ第一の理由は、縦書きレイアウトがきれいだから。本の内容は俳句&短い文章&写真なので、縦書きにしたかった。

 多くのブログ出版は横書き仕様を中心にしている。ブログは横書きだから当然だ。
 でも、新聞にしても雑誌にしても文庫本にしても、日頃読みなれている紙媒体は縦書きばかりだ。横書きといえば理系か政府白書か外国語の本みたいな固い本ばかり。コンテンツが俳句でなくても、本にするときには縦書きにしたいユーザーも多いのではないか。

 ココログ出版を選んだ第二の理由は、装丁がしゃれているから。大きさ比較のために新聞のテレビ欄(四つ折り)の上に置いてみた。

Book2


 小さめの文芸書の単行本サイズ。自費出版といえば無地のレザックの表紙を思い浮かべるが、これは全くそのようなイメージでなく、書店で買った本だと言われても信じてしまいそうだ。表紙・目次・本文・奥付とすべてデザインが垢抜けている。届いて実際に手に取っても、紙質・印刷とも売っている本とほとんど遜色がない。素人がこれと同レベルをめざすのは難しいと思う。

 第三の理由は、カラー印刷にしては価格が手ごろだから。この本は、オールカラー、138ページ、送料込みで6,267円だった。(ただしPDFファイルで余分の校正を1回するごとに別途210円かかる。)
 今回は無線綴じ(ソフトカバー)を選んだが、上製本(ハードカバー)にすることもできる。綴じの部分はこんな感じ。

Book3


 その他ココログ出版の長所を挙げれば、PDFを製作してくれるので面倒な作業をしなくていい、サービス提供実績が長め(2005年5月より)で安心感がある(シリーズで本にしたい場合は、途中でサービスが打ち切られたら困る)、等が考えられる。

 一方、ココログ出版にはもっと充実させてほしい点も多い。まず、表紙デザインが当初の8種類から全く増えておらず、カラーバリエーションすらないのは最大の不満だ。本文が縦書きなのに背表紙が横書きなのもどうかと思う。また、本文レイアウトが全ページ写真入り前提で組まれているため、画像の無いページは空白が多くてもったいない気がする。それと、文字が小さく高齢者には読みにくい。もうひとまわり大きなサイズが作れないものか。

 今回ココログ出版を利用するため、別にIDを取得して新たに非公開のココログを開設してコンテンツを書き込んだ。
 実は当初句集を作ることを考えていたが、日付けが入るので断念して俳句日記の形式にした。その要望が反映されて、現在のココログ出版は日付けを抜いて書籍化できる。つまり、レシピ集とかエッセイ集とか小説を書籍化してもおかしくならない。

 ブログを本にまでする人の割合は少ないかもしれないが、一方、ブログをやっていないが本を製作したいという人は多いのではないか。私は自費出版やオンデマンド印刷のサービスも色々調べてみた。しかし、1冊だけをプロ仕様の装丁で安く書籍化してくれるサービスは見つからなかった。
 ブログを公開日記としてでなく、書籍化のためにツールとして使う発想があってもいいと思う。

 なお、ちょうどいま 無料キャンペーン(10名) が行われている。(締め切り9月18日)

他のブログ書籍化サービス
 book it!
 色々なブログと提携してサービスを提供している。(今日現在の提携先:はてなダイアリーブック、きゅるる文庫、写メモンBOOK、ケロボン、AutoPage、フォレスト出版、アメブロde本、mixi出版村☆本をつくろう!)
 ブログ出版局
 JUGEMと提携している。縦書きができないのが残念。
 mt2pdf (MyBooks.jp)
 Movable Type形式のデータからユーザーがオンラインでPDFファイルを自動生成して印刷・製本を発注する仕組み。
 teacup.ブログ
 カラー印刷はかなり高価。
 ブログぼん
 株式会社データクロス提供。本の仕様が豪華なのが特徴らしい。
 Q book
 Q blogの提供するサービス。運営委託先は株式会社創基(印刷、製本)。
 まぐまぐ自費出版
 一応ブログに付随したサービスだが普通の自費出版に近い。

ユーザーによるレポート
 「すずと楽しい仲間たち」の本、完成!(すずと楽しい仲間たち)
 ココログ出版利用。ハードカバー版の仕上がり具合がよくわかる。
 ココログ出版をやってみた 2冊目(ミリタリーマニアの生きる道)
 ココログ出版利用2冊め。ココログ出版があるからココログから離れられないという好意的ユーザー。
 極東ブログ、二年(極東ブログ)
 あのメジャーなブログもココログ出版で書籍化されていた。本当に全集並みのボリュームだ。「念願の縦書き製本」とか。
 ココログ出版届いた! ココログ出版を眺めてしまう。。。(マツ★ボックリのブログ)
 ココログ出版利用。うれしい気持ちが素直に表現されている。
 ココログ本(JA3DOのココログ)
 ココログ出版利用。ハードカバーの装丁は期待を裏切らない仕上がりのようだ。
 ココログ本が届きました(ゆうくんの部屋)
 ココログ出版利用。本文をPDF化する際に細かい指定が反映されないことへの不満も。これは私も感じた。
 ココログ出版(ガガイモ探偵の弾き語り)
 ココログ出版利用。ブログ小説を縦書きで書籍化したとのこと。
 私のブログが本になりました♪(HAPPYーTIME)
 このブログは楽天ブログで書かれているが、楽天ブログにはまだ製本化サービスが無いので、teacup.ブログに日記を書き写して製本化したとのこと。
 ブログを本にしました。(赤煉瓦を楽しむブログ)
 サービス名は書かれていないが、内容から察するにmt2pdfかもしれない。
 ブログを本にする ブログぼん(覚え書き)
 「ブログぼん」の無料サンプル作成に当選してブログを本にした体験記。
 ブログをPDF化するサービス (PDF 千夜一夜)
 利用レポートでなくサービス比較だがかなり吟味して書かれている。

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2004.05.26

理系BLOG宣言

 blog@tsukuba さん経由で、 理系BLOG宣言 というサイトを発見。理念がこのblogと結構似ている。
 バナーは好きでないので貼りませんが、このblogはタイトルが「理系」を宣言してるでしょ。
 と思ったので、「理系BLOG宣言者一覧」に書き込んでみた。バナーを貼らなければ資格なしだったら、お手数ですが削除してください。

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2004.05.23

技術系blogで使えそうな芸風

 読まれるblogを書く秘訣の一つとして「テーマを絞る」というのがあるけれど、書き始めれば色々なことを書きたくなるのが人情というもの。しかし「技術系の専門的なサイト」をめざしている場合は、あまり関係ないことを書くのもなーと二の足を踏んでしまうかもしれない。
 この問題をクリアするだけでなく、blogの魅力にまでしてしまう鮮やかなワザを見つけた。
 技術系サイト カラムのコラム では、HPLCカラムに関する様々な話題が提供されている。ほとんどはテーマに沿った話だが、中には 温泉とシリカ山本直純さんと日本の作曲家のこと のように、あまり関係ない話が混じっている。温泉とか作曲家とかの話の最後に、HPLCカラムへと(ときにはかなり苦しく)つながる仕掛け。
 こういうオチの付け方を極めれば、一つの芸風になるかもしれない。「○○に関する専門情報サイト」を看板にしながら、実は「ハッキング」から「今晩のおかず」までを手広く取り上げ、最後に必ず○○に続くというスタイル。
 水戸黄門やアンパンマンなど、安心して繰り返し楽しめるものには決まったパターンがある。これは技術系blogで一つの型として定着するかもしれない。
 なお、「カラムのコラム」は極めて真面目で有益なサイトです。詳しい紹介は 本館 で書きました。

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2004.05.18

コメント受け付けのオン/オフ機能

 コメント受け付けを再開しました。
 ところで、コメント受け付けを一斉にオン/オフできる機能って、ないんですね。過去の一つ一つの記事について編集画面を開いて設定しなおさなければなりません。全部オフにするのはたいへんでした。オンに戻したのは最近の記事だけです。コメントできない古い記事へのコメントは コメント・トラックバック専用 にお願いします。
 コメントの受け付けを一斉にオン/オフできる機能がぜひ欲しいと思います。極めて悪意の強い書き込みがあった場合を想定すると、数日間以上メンテナンスできない状態でコメントを受け付けるというのは、怖いです。
 ココログスタッフルームにトラックバックしておきます。適当な記事がないので、 ファイル削除機能をリリースしました にとりあえず。

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2004.02.04

blogとフォーラム(掲示板)は競合するか

 blogとフォーラム(掲示板)は競合しないのだろうか。ココログに関して言えば、これほどの盛り上がりは、フォーラムを通じて蓄積してきた人的資産を活用する@Niftyの戦略に成因があるように見える。こっちがにぎわう分、フォーラムのほうは寂しくなったりしてないのだろうか。

 私が継続して参加してきたのは「化学の広場」の「分析」と「情報」だけで、フォーラムの中でも本当に限られた範囲の様子しか見えないのだが、ちょっと現状と展望を書いてみる。
 「化学の広場」に関しては、ココログは全く何の影響も与えていないようだ。シスオペのHeroさんも他のメンバーも、ココログを始めたという話はないし、ほとんどフォーラム内で話題にもなっていない。

 これからblogを始める人が出てきたら、「化学の広場」から人が流れるのだろうか。私はどうも、そんなことはなさそうな気がする。理系の専門分野に限って言えば、フォーラムとblogでは、書ける内容に大きな違いがある。
 本当に大雑把な切り方だが、理系の公開掲示板では、「教えてください」型の発言と「○○が開催されます」といった単発情報型発言が大部分を占める。実のところ私も、「化学の広場」での発言(そもそも、あまり発言していないが)の8割がたは、この2パターンのどちらかだ。趣味系・生活系のフォーラムは違う。「そうそう、私も」的な共感型の発言が多くなる。
 質問型、情報提供型の発言はblogよりも掲示板に適するだろう。もともとこれらの発言が大勢を占める理系の掲示板では、blogへのシフトは起こりにくいと思われる。

 一方、blogは専門性の高い分野で新しい書き手を掘り起こすのではないか。つまり、理系の掲示板で成立しにくかった「共感型」表現の幅が、blogによって広がるのではないか。私が自分のホームページに掲示板を設置していない理由は、ひとえに「質問型」書き込みが怖いからなのだが、blogは始める気になれた。blogでは、科学の楽しみをマイペースで表現すると共に、他者の楽しみにもリンクできる。(今はどの分野も細分化・専門化していて、表現に字数が必要だ。)

 ところで、言葉による交流には「議論型」というのもある。成功した場合に最も生み出すものが大きく、期待も大きく、ついでになりゆきによっては負の効果も大きいのが「議論」だろう。blogはそもそも日記だから、議論には向いていないようにも見える。でもそれは、日常的に行われる議論の形と違いすぎるからそう見えるだけかもしれない。
 学術研究の世界では何百年来、論文が自説の主張スタイルだ。他者を説得するために、ある程度の字数を使って完結した論理を展開するというスタイル。多くの人がこういうことに習熟すれば、blogで議論は行われるだろうし、掲示板より実りの多い議論も可能かもしれない。

 で、最初の「blogと掲示板が競合しないか」については、理系のフォーラムでは棲み分けができそうだというのが私の感触。他のフォーラムではどうなのだろう。
 以下、論文の参考文献風にリンクを示してトラックバック。

 つながり続けられますか-フォーラム"vs"ココログII
 「反ブログ・フォーラム至上主義者のブログ・・・かも(笑)」とか。

 blog は議論に向かない
 システムの面から整理されていて、わかりやすいと思った。

  とりあえず
 Tokyo Forum のシスオペさんのココログの最初の記事。ここからざーっと投稿順にたどっていくと、ココログが始まった当座(たった2ヶ月前ですが)の熱気が、生で伝わってくる感じ。特に「いつの時代も先駆者がいてこそ」「たかが2週間、されど2週間。」あたり。それから、SYSOPが思うフォーラムでココログ は、フォーラムに昔のような活気を呼び戻したいという思いが。また「ココログには何やら不思議なパワーがある」という主旨のリンク・トラックバックが集まっているので、ここへ付けてみます。

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