秀和システムが出版事業譲渡:著者視点での話
私の本の版元、秀和システムの担当者から、昨日(7月1日)17時頃に突然メールをもらいました。秀和システムは債務超過に陥り、裁判所を介して出版事業を他の出版社に引き継いでもらう手続きに入ったとのことです。
出版不況と言われて久しいですが、秀和システムに関しては別の事情があるようです。このところ、出版とは無縁な別業界との関係が経済ニュースになっていました。詳しいことは私にはわかりません。
メールには
「書籍の販売も印税のお支払いもできない状況」
と書かれています。
書籍の販売ができない!
それはめちゃくちゃ困る。「図解入門よくわかる最新分析化学の基本と仕組み 第3版」は今年3月に刊行したばかりです。現時点ではAmazonなど主要なネット書店で販売が続いていますが、書店の在庫が無くなっても補充されないということでしょうか。
社会から必要とされている本と思っているので、読者に届けられなくなったら絶望しそうです。
いっぽう印税については、私はかなり幸運でした。
出版契約で最低保証の印税が決まっています。それは出版後まもなく受け取りました。いわば、今は印税を前払いしてもらっている状態。おかげで、第3版のために購入した多数の専門書、学会の会費や参加費、JASIS見学や宮崎県への取材旅行、酷使して壊れたプリンタの買い替えやインク代など、かかった費用はちゃんと回収できました。
しかし、6月30日に振り込まれるはずだった第2版の印税は振り込まれませんでした。第3版が出る直前に売れた分だけなのでたいした金額ではありませんが。
秀和システムの印税は3か月ごとの月末に振り込まれる契約で、おそらく6月30日には多くの著者への不履行が発生したのでしょう。著者全員が3の倍数月末の支払いなのか、それとも7月末や8月末のサイクルの人もいてばらけているのか、私にはわかりません。しかし、7月末や8月末の予定の著者も、受け取れる見込みは無いでしょう。
倒産した会社に債権者が詰めかける・・・漫画やドラマで時々見る「債権を回収できない債権者」に自分がなるとは。
人生いろんなことがあるものですね。
担当者からのメールには
「改めて新しい出版社と出版契約を結ぶことで書籍の販売をできないかご相談をさせていただきたく」
「状況が進展いたしましたら、改めてご相談させていただければ」
と書かれています。
できるだけ早く、安定した販売方法が固まれば良いなと思います。また、出版業務をまわしてきた方たちは経済ニュースになるようなゴタゴタとは無関係で、むしろ被害者だと思います。どうか事業譲渡後も仕事を続けられますように。
メールの返事には
「社員の皆様が一番たいへんでしょうが、良い状態で落ち着きますよう願っております。
後日のご連絡をお待ちしております。」
と書きました。
今日のところはまだ情報が少なく、とりあえず一人の著者目線からの報告でした。
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