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2024.07.08

分析技術で一人起業(7)宮崎という土地

firoの所在地は宮崎県宮崎市です。この地で起業した意味についても安藤さんにお伺いしました。

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 地理的に隔絶されている?宮崎県
私は本州以外に住んだことがなくて、九州の地理がよくわかっていません。宮崎県と鹿児島県は隣どうしだから人の往来も活発だろうくらいの認識でした。しかし宮崎市と鹿児島市の間はJRの特急で2時間かかるそうです。別の隣県は大分県ですが、宮崎市と大分市の間は特急で3時間だそうです。私にとっての隣県とは、岐阜市と名古屋市とか京都市と大阪市とか、通勤圏内というイメージなので、これは尺度が違うと思いました。
しかも九州新幹線が福岡―熊本―鹿児島と開通したので、宮崎県は取り残され気味、飛行機でダイレクトに結ばれている東京や大阪の方が行きやすいそうです。
(2) で紹介したとおり関東から宮崎へ検体が届くまでに2泊3日かかります。これは全国展開を考えたとき不利でしょう。

 ビジネスにベストな土地は?
宮崎に設立した理由は、安藤さん自身が宮崎出身で、自宅というラボ用のスペースがあったからです。
「自由に立地を選べるとしたら、福岡あたりがちょうど良いと思う。不動産の賃料が高すぎず、交通の便が良く、輸出入港があり、四国の産品まで集まってくる」
と安藤さんは言われます。

 決め手になるのは「人」
それでも、宮崎でなければならない重要なポイントがあるそうです。それは、3名の従業員さんです。これらの方々は私の訪問日には在宅勤務をしておられたのでお会いできていませんが、ISO/IEC 17025と同等の信頼性確保体系をコツコツ構築するなど、能力と真面目さを備えた方々だそうです。
確かに、ラボスペースは借りることができますが、人とのめぐり逢いは代替不能だろうなと思います。
また、県内の大学から非常勤講師や共同研究のオファーがあったほか、市内の高校からはグローバル人材育成プログラムの運営指導員の委嘱もあり、地元で若手研究者の育成に携われることも大きな要因だったようです。

 宮崎の名所
宮崎と言えば新婚旅行先やスポーツのキャンプ地などとしても知られており、名所が多いです。今回、安藤さんに案内していただいて日南海岸を見渡す堀切峠、海に面した断崖の洞窟にある鵜戸神宮、日露戦争の講和条約を結んだ小村寿太郎の生家を訪問しました。梅雨のさなかですが天気に恵まれて幸いでした。地鶏や冷や汁、新しい名物「カツオ炙り重」もおいしかったです。写真を載せておきます。


冒頭の写真:堀切峠から日南海岸を望む
直線の縞模様「砂岩泥岩互層」が海岸線近くに見られます。これが何キロも続いていました。

海に面した断崖の洞窟にある鵜戸神宮
日本神話の山幸彦の息子で神武天皇のお父さん「うがやふきあえずのみこと」をお祀りしています。

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小村寿太郎の生家
日露戦争の講和条約を結んだ偉人です。戦争を終わらせた方を本当に尊敬します。

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日南市の新しい名物「カツオ炙り重」
炭火付きで供されて、各自であぶりながらいただきます。日南市は一本釣りカツオ漁獲量が日本一だそうです。カツオといえば高知県しか知りませんでした。

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