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2024.07.03

分析技術で一人起業(2)何をしている会社?

Firo09
株式会社 食品検査・研究機構(略称firo)のメイン業務は農産物中の残留農薬検査です。残留農薬検査といえば食品分析の中でも確立された分野で、対応可能な登録検査機関(食品衛生法に基づく)は全国に約120もあります(厚労省 食品衛生法上の登録検査機関について)。

今さら新規参入できる分野なのか? 価格競争が激しくて小規模事業所ではなかなか太刀打ちできないのではないか? 一人起業で何ができるのか? 同業のみなさんにとっては疑問が先に立つと思います。

 スクリーニングに特化
firoは登録検査機関ではありません。登録検査機関は公定試験法を用いて公的な証明書を発行できる機関ですが、firoで行うのは自主検査のみであり、その検査結果で基準をクリアしていたとしても、公的には認められません。公定法は農薬の特性に合わせた個別検査、あるいは複雑な試験操作を要する一斉検査で、時間も費用もかかります。これに対して、firoが行うスクリーニング検査では迅速に370農薬をチェックします。

Firo10

 主に輸出品の検査
公定法ではない検査結果、なぜそれで顧客がつくのか? firoが受注しているのは、主に台湾向けに輸出する農産物の検査、特にイチゴや桃など滞留させられないものです。台湾から日本の生産者・輸出事業者に対して急ぎ農産物出荷のオーダーが来ることがありますが、通常の検査機関は月曜から金曜までの対応で、しかも結果は最短でも翌日です。これに対してfiroは土日祝日、盆と正月も検査を受け付け、検体を受領したら即日検査してPDFで結果を送信することができます。関東からの検体送付(宅急便)は宮崎まで2泊3日かかりますが、それでも関東の生産者からの分析依頼が来るそうです。

 リスクのある農産物の出荷を止められる
輸出した農産物が基準値を超えたら、業者にとってはたいへんなことになります。輸送料や保管料が無駄になるのはもちろん、その農産物は有害なものとみなされ、廃棄にも多額の費用がかかり、さらに、信用も落ちます。業者にしてみたら、時間をかけて検査して確実な結果を得るよりも、迅速に検査して低リスクで輸出したいのです。そのためには、基準をクリアする可能性が若干あったとしても、リスクがあればすぐ止めるスクリーニング検査の方が目的にかなっています。ここに、土日も即日結果を出すfiroが新規参入する余地があったというわけです。

firoのロゴは許可を得て転載、イチゴの画像はPhotoAC(作者:じゅんcoco)

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