「LC/MS, LC/MS/MS Q&A100 虎の巻」
LC虎の巻シリーズ(2001年から2006年に刊行)は液体クロマトグラフィーの定番解説書です。このほどLC/MSについても虎の巻が出ました。
この本がどんな本でどんな人に合いそうか、ご紹介します。
LC虎の巻シリーズは「虎の巻」が入門編で「龍の巻」「彪の巻」…と内容が高度になっていますが、「LC/MS, LC/MS/MS Q&A100 虎の巻」は入門編ではありません。ある程度LC/MSに関する知識を持っている人向けの内容です。
2014年刊の「LC/MS,LC/MS/MSの基礎と応用」、2015年刊の「LC/MS,LC/MS/MSのメンテナンスとトラブル解決」に続く姉妹編の3冊目とのことです。
つまり、この虎の巻は前2冊の内容を理解している人向けと言えます。初学者の方にはまず「基礎と応用」を読むことをお勧めします。
何しろ、こういう質問から始まっています。
Q1 「エンドフィッティング」「カラム栓」などの呼び方をされる部品は、「カラム」に含まれるのでしょうか?
Q2 送液ポンプの「プランジャー」はメーカーによっては「ピストン」とも呼ばれているようですが、どちらが正しいのでしょうか?
単に分析手法としてLC/MSを見るのでなく、全編「LC/MS愛」にあふれています。
個人的には次の質問が「そうだったのか!」でした。
Q14 最近、「四重極型質量分析計」などの表現が「四重極質量分析計」などのように「型」が取れたものに変わっていますが、その背景・理由は何ですか?
Q4 「質量分析」と「質量分析法」は同じものを指すのでしょうか?
マニアックとも言える設問は前半に多く、後半は意外に基礎的な質問が並んでいます。
Q93 四重極質量分析計の原理
Q94 飛行時間質量分析計の原理
Q95 イオントラップ質量分析計の原理
Q98 「選択イオンモニタリング」とは?
Q99 「選択反応モニタリング」とは?
という具合です。
全100問の設問をネットで読めないかと探しましたが、残念ながら 出版社の書籍紹介 には大まかな目次だけが掲載されています。
上の例のような用語の厳密な解説が含まれていますので、多くの人には何問か「そうだったのか!」という設問と答えが見つかると思います。
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