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2016.06.03

GC-MSかGC/MSか(LC-MSかLC/MSか)(3)

ハイフンとスラッシュの使い分け。国際純正・応用化学連合(IUPAC)の2013年の勧告では要するに「どっちでもいい」ということになっています。まあ、こまかいことですからね。GC-MSかGC/MSかなんて・・・というわけではないようです。「どっちでもいい」の裏に長い論争があったようです。

2013年の勧告はいきなり出てきたわけではありません。2004年から始まった、質量分析に関する用語を整理・統一するためのプロジェクトでした。まとめページがあります。

 質量分析用語プロジェクト(IUPAC)

Wikiを利用したインターネット上の議論や学会の場での議論、9年間の成果が2013年勧告というわけです。

勧告は用語集なので、アルファベット順に用語と定義などが並んでいるページが大部分ですが、冒頭に特記事項が色々書かれています。ハイフンについては1518ページにあります。下の和訳で、改行や空行挿入は私が行っています。元の文章は改行なしの1パラグラフで、ちょっと読みにくいです。

複合分析法の略語

ハイフンまたはスラッシュは、ガスクロマトグラフィーによる分離と質量分析による検出など、組み合わせた分析方法の意味で使うことができる。したがって、この組み合わせならgas chromatography-mass spectrometryとも書けるし、gas chromatography/mass spectrometryとも書ける。対応する略語はGC-MSまたはGC/MSである。

分離法と質量分析の組み合わせの意味でハイフンが最初に使われたのは1960年代の初めであり、スラッシュの使用は1970年代からだった。「ハイフネーティッド テクニック」の語は1980年に作られた。現在ではハイフンとスラッシュは相互に交換可能な使われ方をしている。
学術雑誌「Rapid Communications in Mass Spectrometry」はかつて、2つの分析法の組み合わせはスラッシュで示すべきだと推奨した。最近の「Journal of Chromatography」の用語集もまたこの用法を支持している。
IUPACは、ハイフンは分離法の種類を示すために使われるべきだと推奨する。例えば、gas-liquid chromatographyやpyrolysis-gas chromatographyのように。

この勧告の著者らは、ハイフンとスラッシュのどちらを使うべきかについて真っ二つに意見が分かれた。これまでの勧告との一貫性を保つため、我々は複合分析法の意味でハイフンを使うことにしたが、スラッシュも同様に使用可能であることを注に書くことにした。

「真っ二つに意見が分かれる」を英語でどう表現するか、勉強になります。

The authors of this document are evenly split in their preference for hyphen or slash.

ガスクロの議論だけにスプリットか?とくだらないことを連想しました。なお、著者の人数は6名です。

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