分析屋さんの漫画「博士の白衣女子攻略論」
なんと化学分析試験室を舞台にした漫画が連載されていました。うかつにも知りませんでした。
香日ゆら「博士の白衣女子攻略論」(芳文社)
この漫画の存在に気づいたきっかけは、日刊SPA!「ニッチな世界の[あるある]大全【6】化学検査技師は膀胱炎になる人が多い!?」(2013.07.08)で紹介されていたからです。
ところが、既に 2012年11月11日の朝日新聞の読書欄に書評が掲載されていたようです。
「理系の生態 フツーの目線で」
朝日新聞を購読していますが、コミックのコーナーはちゃんと見ていなくて全く気づきませんでした。
現在出ている単行本は1巻だけです。さっそく購入して読んでみました。
感想は…
作風はほんわかしています。好感が持てます。分析試験室の「あるある」がたくさん載っています。
「そういう研究とか別にしてないけど」
「じゃあ何してるんですかっ!?」
「分析だけど」
「まあ区別つかないわよねぇ…」
という調子で、分析業務の日々が淡々と流れています。
概要は朝日新聞の書評で的確に紹介されていますので、そちらを参照してください。
「分析屋を描いた漫画」以外のお勧めポイントですが…
好感は持てるけど強く印象に残るような何かがあるわけでもない…これが正直な感想です。
しかし、私は作者自身に対して興味を持ちました。お名前は「こうひゆら」と読むそうです。
漫画からは試験室の特色がつかめません。何が検体なのかさえはっきりわかりません。
登場するアイテムは、JIS、滴定、酸、白金皿、比色管、走査型電子顕微鏡、アセチレンガス(ICPか?)、液体窒素、CaとCdの標準液…
環境系らしいことはわかります。微生物の試験室もあるようです。
ブログ と ツイッター から、作者は青森県在住で、漫画を描く以前は食品・水質・温泉などの分析業務に携わっていた ということがかろうじてわかります。
やっぱり分析業務にたずさわる(たずさわった)人は真面目で慎重なのです。私のブログで何回も書いているテーマ(?)「分析屋は口が固い」、その実例がまた一人見つかったように感じています。
2013/11/19 追記
第2巻が発売されたので読みました。
よりディープで自然なエピソードが増えたと思います。
詰まったろ過の様子を見て丹沢さんが
「ろ紙交換したら駄目なんですか?」
と質問するシーンが。ずいぶん成長したものですね。
残念ながら2巻で完結です。
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