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April 2012

2012.04.18

お詫びと訂正:セシウム137の記事

前の記事 に間違いがあったので訂正しました。セシウム137の濃度の基準を一桁小さく書いていました。お詫びして訂正します。

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2012.04.14

1万Bq/kg以下のセシウム137は「放射性同位元素」でない

記事に間違いがありました。太字が訂正した部分です。申し訳ありませんでした。(4月17日訂正)

放射性の廃棄物について、香川さんという方から コメント をいただきました。

100bq/kgという、放射能汚染取扱い基準についてお尋ねします。
このレベルを超えるものを無資格の者に対処させる事は、法律違反なのではないでしょうか?

結論から言えば、137Csについては、1万Bq/kg以下の濃度なら放射線障害防止法の「放射性同位元素」に該当しません。ですから、この法律による管理対象になりませんし、放射線取扱主任者の選任も必要ありません。

 放射線障害防止法で定める放射性同位元素

私たちの身の回りのほとんどの物、また、私たち自身の身体も、放射線を放出しています。放射線の害を防止するためのいろいろな法律では、どの程度以上のものを放射性物質として扱うか線引きしています。

放射線障害防止法放射線障害防止法施行令 では「放射性同位元素」の定義をしていて、その具体的な要件は 放射線を放出する同位元素の数量等を定める件 の第一条と別表第一に書かれています。

ややこしいですが少し辛抱して読むと、137Csについては数量で1×104Bq、濃度で1×101Bq/gとされています。つまり、絶対量が1万Bq以下または濃度が1万Bq/kg以下なら、この法律で定める放射性同位元素でないということです。

科学的には137Csはたとえ原子1個でも放射性同位元素ですが、法律では少量のものは該当しないんですね。法律の言葉は時として科学的に不合理です。

 100Bq/kgの基準とは

ところで、香川さんがお尋ねの「100Bq/kgという放射能汚染取扱い基準」が何をさすかがわからない・・・という方のために。
おそらく、原子炉等規制法に基づくクリアランス基準のことだろうと思います。これについては環境省がわかりやすい文書を出しています。
100Bq/kgと8,000Bq/kgの二つの基準の違いについて
この中では100Bq/kgは「廃棄物を安全に再利用できる基準」と書かれています。原子炉の廃材等であっても、建築資材やベンチ等として再生利用可能なレベルということです。また、8,000Bq/kgは安全に焼却したり埋め立て処分したりするための基準です。

 焼却・埋め立ての基準は「放射性同位元素」の基準より低い

まとめると
100Bq/kg 再利用できる基準
8,000Bq/kg 焼却や埋め立てができる基準
10,000Bq/kg 放射性同位元素として特別な管理をする基準
ということになります。

焼却・埋め立ての基準は「放射性同位元素」の基準の8割になっており、2割の余裕幅をもって放射線障害防止法に抵触しない数字になっています。

それから、香川さんは環境省のパブリックコメント募集について私の意見をおたずねですが、このブログでは事実関係の解説だけにとどめていますので、すみませんが回答はひかえさせていただきます。

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