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September 2011

2011.09.23

秋分の日に

分析展が終わって秋らしくなってきました。小さな話題をいくつか。

 分析展の愛称
去年 「分析展」「科学機器展」合同展の名称募集 で書いたとおり愛称が決まる予定でしたから、今年は楽しみにチラシを手に取った方も多かったのでは。
残念ながら名称の決定は延期だそうです。当展示会の統一名称決定について(事務局NEWS) から、やはり今年は大変な年でやむをえないことと感じます。

 要旨集の配布終了
日中農薬残留分析交流会セミナー(2011)講演要旨集配布 でご紹介した冊子は、配布可能分が全部なくなったそうです。

 ワインと分析
最新ワイン分析機器、1万円なり…山梨大開発
山梨大学にはワイン科学研究センターという施設があるのですね。そこで、LEDの光の吸収率によって「色」「ポリフェノール含有量」「濁度」「果汁中の窒素化合物の量」「渋み成分の量」の5項目について、ほぼ正確なデータを得ることに成功したというニュースです。ソムリエの 堀野さん と本を書いて以来、ワインに親しみを感じています。

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読み応えのある元素本「スプーンと元素周期表」

Spoonまた出遅れた書籍紹介です。
一か月前に読み終えて、ここに書こう書こうと思いながら忙しさに取り紛れていました。
もう今さらなので、身辺雑記の一つとして数行だけ書こうか?
と思いながら読書メモを読み返してみたら、面白い!
読書メモが面白いなんて自画自賛ですけど、これをこのまま載せれば手間もかからないし、これ以上遅れるよりは良いでしょう。
書き方はぶっきらぼうですがご容赦ください。

(以下読書メモより)-----------------------------
2011年08月23日

スプーンと元素周期表: 「最も簡潔な人類史」への手引き
サム・キーン著、松井信彦訳(早川書房)

予想以上に厚く字が細かい。でもそれだけの価値がある。雑事をこなす合間の時間を工面して、私にしては速く読み切った。

本文と注の合計が440ページほど。図表は少なく、章扉に1ページ使うこともなく(扉も半分以上本文)、びっしり文章が詰まっている。読むには時間がかかる。それだけの分量の中に、人類と元素の歴史が網羅されている。

よくある元素本のように元素順でない。年代順でもない。
「毒」「戦争」「貨幣」「泡」のように、興味を引かれる切り口で、人と元素が語られる。テンポが良い。飽きない。

完結しないまま次へ行く感じはあるが、興味を持ったことはネットで調べられる時代。
読みながら何度も検索した。動画も出てくる。

原題は"The Disappearing Spoon"、ガリウムで作られた消えるスプーンのこと。
検索すれば動画が見られるそうなので検索した。いくつかある中の一つはこれ。
http://www.youtube.com/watch?v=kIbYiO5BRYk
スプーンを自作できるDIYキットの宣伝らしい。

邦訳タイトルは、注意しなければ何のことかわからない。読んでいる途中では、ガリウムのスプーンのこととわからなかった。「消える」がタイトルにないから。
このタイトルは成功しているのだろうか。まあ、「元素周期表」を除くわけにいかないだろうから仕方ないか。

やはり自分は量子力学がまるでわかっていないと感じた。
特に驚いたのは、微細構造定数αと元素の限界の関係。(p.399)
知らなかった。
αは約1/137であり、原子の陽子の数とこの定数との比が1に近づくについて、内核電子の速さは光速に近づくため、137番元素が限界で、それ以上では内核電子は光速より速くなる計算になるそうだ。
元素がこんな制約を受けていたとは知らなかった。

<その他の面白かったところ>
p.155
サマリウムの語源
おべっかだった

p.217
才能がつぎ込まれる動機としての敵意を侮ることなかれ

p.282
アメリカでしか使われていない aluminum
国際つづり aluminium

p.290
「科学史とは科学そのもの」
著者が世話になった実習担当氏の言葉らしい

p.334
人類が力ずくで化合物にするのに最も苦労した元素のチャンピオンはアルゴン

p.342
超微視的スケールでの不確定性が巨視的スケールの何かに影響を及ぼすという事例はほぼ一つしかない。ボース=アインシュタイン凝縮である。

p.358
ラザフォード「科学には物理学しかない。その他すべては切手集めのようなもの」
のちにノーベル化学賞を受賞して言えなくなった。

p.379
オクロ
存在が知られている唯一の天然核分裂反応炉

p.391
地球を構成する元素の中で最も希少な天然元素 アスタチン
総量1オンス(約30g)

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