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2011.07.11

ニッチな職業?

皆さんは現在・過去・未来、どんな仕事に就いている(いた・いる予定)でしょうか。その仕事は、他人にひとことでわかってもらえる仕事ですか。

化学分析という仕事は、ときに説明に困りますが、マイナーすぎるわけでもないと思っていました。化学系の人ならこの認識に異論はなかろうと思います。

ところが、世間的にはあまり知られていないようです。

「すべて分析化学者がお見通しです!」を企画した技術評論社の編集者、 渡邉さんが私にメールして来られたのは2年前のことでした。
渡邉さんは実用的な科学本を企画しようと、食品の成分について色々調べていて、私の分析化学のページに行き当たり、興味を引かれたそうです。
「よくある社会的な?安全性の話とは一線を画すサイエンスの切り口で、とても新鮮で、企画にしたいと思った次第です」
とのことでした。

出版の企画というものは、まず社内の会議で通らないと始まらないようです。渡邉さんが企画を出すと、社内の理系の人(化学出身者)は、「分析自体はとても普通に行うものだ」と言い、サイエンス好きな文系の人は「まったくもってニッチだ」という意見だったそうです。

 分析がニッチ! すきま産業!

これには思わず笑ってしまいました。たいていの分析屋は、社会の根幹を支える重要な仕事と信じて働いているでしょう。何度も書いていますが、分析値によって大量の食品が廃棄されたり工場の操業が止まったりします。

分析という仕事が、身近でありながらあまり知られていないことに気づいた渡邉さんは、一般の人にわかりやすく伝えたい、という思いで企画をふくらませたそうです。

本の発売の2週間後に東日本大震災が起こりました。4か月が経っても復興の歩みは遅く、支援の届かなさが歯がゆいです。
中断していた執筆の背景など、これからしばらく書こうと思います。

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「すべて分析化学者がお見通しです!」」カテゴリの記事

Comments

こんにちは。「ニッチ」と聞いて思わずコメントを。

今しがた作成中のギョーカイ資料で、ちょうど「ニッチな分野へ」も含めて
将来展望を考える必要があると結んだところでした。
使っている本意は、今もっている技術力からシーズを考えて
本業だけでなく幅広く技術応用したニッチな分野へも展開・・・というニュアンスです。

分析値を出す業はニッチな職業だとは思いませんね~
しかしながら実際には、データの評価、運用、解釈にウエイトが置かれ
分析屋さんの私たちに対し、上から目線で扱われた・・・という経験も
少なからずあります。
寂しいことですが・・・・

Posted by: フランジィ | 2011.07.13 at 11:27 PM

フランジィさん、こんにちは。
続きを書きました。「ニッチ」は、フランジィさんが作成された業界資料と同じく、出版社の経営戦略としてのニッチなんですね。たぶん。
「上から目線で扱われた」は分析業界ではよくあることですよね。少しでも改善していくには、分析値の裏にあるプロセスをわかってもらうことではないかと考えています。

Posted by: ここの管理人 | 2011.07.14 at 06:42 AM

どこの化学メーカーにいっても分析グループは絶対ありますからニッチとは言えないですよね。

合成したものを分析しないと話になりませんからね…

Posted by: 高分子合成屋 | 2011.07.24 at 11:44 PM

高分子合成屋さん、はじめまして。
私は修士課程の2年間は合成をやってました。TLCとNMRは毎日何回もやりました。
集約した方が効率的な高度機器利用や複雑なデータ解析が分析グループ担当になるんでしょうね!

Posted by: ここの管理人 | 2011.07.26 at 05:51 AM

分析技術者(私は技術者だと思う)で完結が困難なご時世なのかもしれないです。かく言う私も分析技術者単体では食って行けず(まぁ学歴、経歴、業種、能力等のファクターもありますが)品質管理、品質保証職に割合がシフトしつつあります。人材アウトソースしやすい事もあるのでしょう。

Posted by: 元大陸の検査屋 | 2011.08.06 at 09:47 AM

説明不足でした。
分析技術者単体での食い扶持の場合、私は食品関連なので食品関連大手企業、受託機関でなければ難しいでしょうし、アウトソース化(つまり薄給)も激しい。医薬化成関連はわかりませんが。私は食品とは無関係な専門卒なので、日本労働社会独特?の雇用構造(新卒至上主義、雇用形態の多様化とヒエラルキー、ミドルキャリアチェンジの困難さ)の影響は多かれ少なかれ受けたかもしれません。話がそれ過ぎました。

Posted by: 元大陸の検査屋 | 2011.08.06 at 06:12 PM

確かに、サンプリングや分析操作など、検体にじかに触れる仕事は、ある程度の年齢で卒業になる場合が多いですね。その後も分析屋をするとなると、分析試験室の管理や顧客との調整業務ということになりますが、それらの仕事はそれほど人数が必要なわけではないので、もっと多様な身の振り方になっているようです。
分析屋の年齢構成が若手中心であることは、去年「化学分析員という仕事」でも書きました。

Posted by: ここの管理人 | 2011.08.08 at 09:37 PM

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