分析士2段試験(液体クロマトグラフィー)
日本分析化学会が設けた新資格「分析士」について、昨年 分析有段者! で紹介しました。
トップをきって実施された液体クロマトグラフィー分析士初段の試験(2010年10月)では合計300名弱の方が資格を取得されたとのことです。登録者名簿や試験の参考問題は 分析士認証制度のページ に掲載されています。
この資格に興味を持つ方もおられるでしょうが、学会のサイトには今後の予定について今のところ掲載されていません。そこで、学会の情報誌「ぶんせき」の記事から拾ってご紹介します。分析士の資格は学会の会員でなくても取得できます。
液体クロマトグラフィー分析士2段試験
「ぶんせき」2月号の「お知らせ」欄に実施案内が載っています。
ただし、受験資格は初段資格保有者のみです。
日時 2011年6月5日(日)14時~16時
会場 受験申込者に通知
受験料 6,000円
登録料 3,000円
2段資格のイメージ
・HPLC装置とそれぞれのパーツの内容や原理の理解が十分にある。
・HPLCを用いた試験を、SOPに沿って、正確な操作を行うことができる。
・簡単な部品の交換が自分でできる。
今後の予定
中村洋会長(分析士認証委員会委員長でもある)が「ぶんせき」2月号p.114に書かれた記事によれば
2011年10~11月 液体クロマトグラフィー分析士初段試験
2011年12月 LC-MS分析士初段試験
2011年度内 イオンクロマトグラフィー分析士初段試験
とのことです。その後も分野は拡充される見込みです。
あれこれ
第1回の初段試験の問題は全50問で、満点は1名だったそうです。(株)三菱化学技術研究センターの矢田信久さんという方で、体験記が「ぶんせき」4月号に掲載されています。満点とはすごいです。
ところで、主に利用する分析手法が1~2種類に限られるユーザーの場合は、初段・2段・・・とグレードアップしていくのも励みになりそうですが、3つ以上を利用するユーザーにはちょっと負担が大きいかもしれません。
例えば私の場合、液クロ、ガスクロ、LC-MS、GC-MS、IRの5つは日常的に使います。段位は5段回、飛び級は認められない、それぞれ受験料+登録料が約1万円・・・となると、自己負担でチャレンジする気にはちょっとなれません。
TOEICのように点数制にするとか、飛び級受験を認めるとか、受験回数が無駄に多くならない制度設計のほうが利用しやすいかもしれません。
そのかわり、これまたTOEICのように「有効期限5年」といった条件を付けてもいいかもしれません。分析手法は日進月歩ですから、期限があるのはむしろ当然のように思います。
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