排水中の放射能限度の計算法
海水中の放射性物質濃度の「基準値」のありかを探した結果を昨日書きました。
その中で「色々こまかい規定は省きますが」として省略したことをちょっと追加しておきます。
排水中の放射性物質は、ヨウ素131やセシウム137などの個別の核種ごとの濃度で管理されるわけではありません。
それぞれの核種及び化学形ごとに告示の第六欄の数値で割って、それらの数値の合計が1を超えないようにします。人体への影響に応じて重みづけして管理するためです。
従って、たとえば「ヨウ素131が基準値の750万倍」と報道された 2号機取水口付近の海水(4月2日サンプリング、4月5日発表)) の場合は、炉規則告示の方法に従うなら、セシウム134の「200万倍」とセシウム137の「130万倍」も合わせ、さらに、測定されていない多数の核種があることを考えて、「濃度限度の1080万倍以上」となるでしょう。
ただしこれは「周辺監視区域外の水中の濃度限度」、つまり一般の人が立ち入る場所の基準ですから、現状で立ち入り禁止区域内の値と比較することに大きな意味はないと思います。また、この告示の前提となっている一般公衆の被ばく線量当量限度は年間1mSvです。
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