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2011.02.20

「すべて分析化学者がお見通しです!」刊行案内(2)立木秀尚さんのこと

まず医薬品分析の専門家、立木秀尚(たちきひでひさ)さんをご紹介します。
立木さんは東和薬品(株)の研究所勤務で、動物実験や臨床試験で得られた血液などに含まれる薬物や代謝物を主に分析しています。

LC/MS/MS(高速液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析)ユーザーの間ではたいへん有名な方です。MSMSメーリングリストを主宰し、医薬品業界のみならず、関連業界を巻き込んだネットワークを構築しておられます。
このメーリングリスト、ベンダーさんご禁制、ユーザーが本音情報を交換し合う、知る人ぞ知る秘密組織。オンラインはもちろん、オフラインで資料を読みながらお酒を飲む宴会兼勉強会という恐ろしい企画もあるとか。

さて、立木さんが書いた医薬品分析の世界。ひときわ文化の香り高い上質な読み物となっています。はるか昔の中国の伝説と現代の医薬品分析に通じるものとは? 錬金術が生み出した偉大な道具とは? そんな話もあって楽しめます。

私が立木さんと一緒に執筆活動して感じたのは
「医薬品分析ってリッチ!!」
です。
分析屋は、学会や展示会を回って見かけた新製品が自分の分析に役立てられないかと考えるものでしょう。
ところが医薬品業界の考え方は逆のようです。分析したいものがあるが既製品で不可能なら、莫大なお金を払ってでも分析できる製品(クロマトのカラムや前処理カートリッジなど)を作ってしまうのです。
機器の台数も桁違い。くわしくは本に書かれています。

LC/MS/MSはまだまだ高価ですが、残留農薬分析などにもかなり使われるようになってきました。それも医薬品業界でいち早く普及が進んで価格が下がったからという背景があります。
ある意味、私は医薬品業界の下流にいるんだなーとつくづく思います。
(ただし医薬品分析にも色々あって、リッチな分析ばかりというわけでもないようです。)

さらに、立木さんといえばあの「液クロ虎の巻」シリーズの共同執筆者の一人でもあります。立木さんによるクロマトグラフィーと質量分析の一般向け解説が読めるのはこの本だけ。

3年前に「分析力は医薬品開発のバロメータ」というエーザイの浅川直樹さんの言葉を紹介しました(日本薬学会第128年会)。そのリアルな様子をお伝えする本を出版できて、たいへんうれしいです。

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