神戸検疫所一般公開
7月30日に 神戸検疫所 の一般公開に行ってきました。午前の部と午後の部があり、私が参加したのは午前の部です。参加者は(正確に数えたわけではありませんが)40名程度でした。NHKなど3局が取材に来ていました。
プログラムは2時間で効率よく業務のあらましを理解できるように組まれていました。
1 歴史資料室(見学)
2 検疫業務(説明)
3 衛生業務(説明)
4 輸入食品監視業務(説明)
5 微生物学的検査業務(説明)
6 理化学的検査業務(説明)
7 信頼性確保業務(説明)
8 質疑応答
という区分けで、見学者は2班に分けられて1~7を物理的に重ならない順序でまわりました。それぞれの説明場所で担当職員の方がパネルや展示物を使って説明され、個別に質疑応答もできました。最後はまた全体での質疑応答がありました。
参加者は大学生くらいの男女と主婦らしき女性が多く、50~60代とおぼしき男性や女子高生もいました。皆さん熱心で、色々な質問をしていました。職員の皆さんも丁寧に答えてくださいました。
私は10年ほど前に仕事でたびたび神戸検疫所へ行っていましたが、その頃と比べて大きく変わったのは、遺伝子組換え食品の検査が行われるようになったこと、信頼性確保業務を担当する部門ができたことです。GLPという言葉を使って一般の人に説明する時代が来たことに感慨をおぼえました。
また、輸入食品に対する国民の関心はさらに強まったことを感じました。大量のパネルや展示物、小型の拡声器など整備されていることから、日頃見学者が多いことがうかがえました。検査担当職員の数も大きく増えています。
一方、各地の検疫所から検査センターへ宅急便で届く検体を毎朝受け入れてバーコードで管理する流れは変わっていませんでした。各試験法の作業手順書が整然とラックに納められていることも同じでした。ただ、作業書の量は10倍近くになった感じがします。
以下は撮影してきた写真です。人が写っているものや内部の写真を載せるのは差し控えますのであまり面白くないかもしれませんが・・・
輸入食品のサンプリング用器具。トング・ピンセット・ひしゃく・簡易秤など。冷凍肉を割って採取するための金づち、のみも。奥の方にある木の柄の器具は「サシ」。これを豆やコーヒー豆の袋に差し込んで中身を採取するとのこと。
温度計は食品の表面温度を測定するものと輸送中の温度管理用のもの。
かつてテニスコートがあった中庭では大規模な工事中。GC、HPLC、質量分析計の台数が驚くほど増えて、広い検査センターも手狭になっていましたから、増築は急を要するだろうと思われました。
厚生労働省の 輸入食品の安全を守るために のページではわかりやすい動画が公開されています。(トピックスの「輸入食品の安全確保を目指して~検疫所の仕事(動画:約14分)」をクリックすれば始まります。)
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Comments
ども。
検疫所見学行かれたんですね。
私も仕事休んでいこうか悩んだんですが・・・。
行けばよかったな。
昔はこの日、職場から若い人を何人か引き連れて見学に
行っていたのですが、ここ数年は実施してません。
今回は日程をギリギリに知ってしまったので、
対応できなかったのですけどね。
Posted by: あっき~ | 2010.08.18 12:42 PM
あっき~さん、おひさしぶりです。
一般公開は毎年実施されているようですから、食品分析をする若い人たちには一度見せてあげるのがいいですよね。
人も機器も大幅に増えていて圧倒されました。
Posted by: ここの管理人 | 2010.08.18 09:05 PM
神戸検疫所の方(3名でした)とは以前、某大陸、青○でのセミナーをアテンドしました。やはり内部は参加者(大陸系政府検査屋さん)も圧倒されてましたよ。3名とも中々個性的でした。。。
Posted by: 元大陸の検査屋 | 2010.09.04 06:31 PM
元大陸の検査屋さん、こんにちは。大陸から戻ってらっしゃったんですね。
どこの国の人が見ても、あれだけの台数の機器が並んでいたら圧倒されますね。
Posted by: ここの管理人 | 2010.09.05 12:48 AM