訂正シールを配布します
「図解入門 よくわかる最新分析化学の基本と仕組み」p.143の訂正シールを配布します。第1刷をお持ちの方は 訂正シールの配布について をご覧ください。
画像の差し替え分をシールに
第1刷の誤字・ミスについて本館サイトに お知らせとお詫び を掲載したとき、一読者の方から「画像の差し替えについては、プリントアウトして貼り付けられるデータをアップしてもらえないか」とのご意見をいただきました。
それはいいアイデアだと思い、出版社に打診しました。第2刷を発行する見込みだったので、その版組みを使わせてもらえるかもしれないと考えたのです。画像提供元からはウェブでの正誤表公開の許可を得ていましたから問題ないように思えました。
ところが素人が考える以上に出版物とは複雑なもので、文字列で引っかかりました。何の変哲もない1ページにも多種類のフォントが使用されており、それらは著作権で保護されていて勝手に公開はできないとのことでした。
訂正シールの製作
しかし個人的に印刷して知人に配る程度なら大丈夫だろうと考え、印刷会社を探しました。近所にシール専門の会社を見つけて相談しました。
その頃になると第2刷の版組みPDFができていたので、それを渡しました。しかしフォントがプロテクトされているため流用はできないとのことで、結局印刷会社が類似のフォントを見つくろって版組みしてくれました。
印刷枚数はあまり価格に影響しないと聞き、500枚注文しました。さらに見本として数十枚余分に受け取りました。
結局出版社のデータは使っていないのでシール原版(aiファイル)をPDFに変換して公開しようとしましたが、なぜかどうしても画像が崩れてしまいました。
ひたすら送付。そして余ったシール
出来上がったシールをひたすら郵送しました。7月のことでした。郵送先は、献本させていただいた方と、購入したと連絡のあった知人の皆さんでした。
また、8月半ば頃までは献本を続けたので、シールができてからは貼りつけて送付しました。
私が一番届けたかったのは、「プリントアウトして貼り付けられるもの」を提案してくれたあの読者の方です。何回かメールさせていただきましたがお返事がなく、まだお届けしていません。
献本した冊数は約120、そして購入してくださった方若干。シールを配り終わっても約400枚程度が余りました。このシールをどうしようかと考えました。
郵送の事務作業は意外に難しい
シンプルに考えれば、私のサイトで告知して希望者にシールを郵送するのが自然です。
でも、それは口で言うほど簡単なことでない。まず、何百という宛先を整理して封筒に印刷し、送付するという作業が発生します。それに、住所氏名の記入漏れ・間違いがどうしても起こるでしょうから、返送先を書かなければなりません。しかし見ず知らずの大勢の人に自宅の住所を書いて送るのはためらわれます。かといって私的な目的のために勤務先を返送先にするわけにも行きません。
郵便局の私書箱は無料で利用できますが、おおむね毎日郵便物が届くことが利用条件です。
私設私書箱は月に1,000円程度からのものが多いようですが、返送先に書くためだけの目的としては高すぎると思いました。
考えている間に時間が・・・
このようなことを考えている間に時間が経って行きました。
もうシールを大規模に配布するのは諦めて、偶然出会った人にだけお送りするようにしようか?とも考えました。
既に発行されている本のアフターケアは、言うなれば後ろ向きの作業ではないか。また、間違いのある本は結構存在しますが、何もなければ気がつかれないものでもあります。ウェブを通じて訂正シールを配布する著者など見たことがないし、目立ったことをすれば第1刷の誤字・ミスが多いことを自分で宣伝するようなものではないかとも考えました。(既に相当宣伝していますが。)
でも、先月第3刷を発行するに至り、こういう本が世の中の皆様に求められているのかと、あらためて責任を感じました。(「こういう本が」であって「この本が」と言う自信はないのですが。)シールの配布を始めるなら今が最後のチャンスかもしれないと思いました。
技術上の問題を解決
そこで上に挙げた問題を解決するべく真剣に考え、訂正シールの配布について に書いたとおりの手順を組み立てました。申し込まれてから最長で1ヶ月お待ちいただくことになりますが、私自身の余裕度と照らし合わせて可能なことを探った結果です。すみません。なお、シール原版のaiファイルも公開しています。
少しでも初刷のミスを補えればと思っています。最初にシールのアイデアを出してくださった方も、読んでおられるでしょうか。ぜひご連絡をいただきたいです。
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