サラリーマンと商業出版(4)私に書けるか
私は 津村ゆかりの分析化学のページ という個人サイトを開設している。このサイト名は「分析化学全般をカバーする」という意味ではなく、「あれこれ分析してきたのでこの言葉以外に自分の専門を表す言葉がない」という、いわば消極的な事情から付けている。(このサイトと作成者について)
そんな自分に、入門書とはいえ分析化学全般についての本が書けるだろうか?
あらためて自分の分析歴を振り返ってみた。大学4回生時の分属先は薬品分析学講座で、HPLCを使った。大学院では有機合成が専攻で、毎日NMRを使いTLCをやっていた。IR、HPLC、旋光度計も使った。質量分析と元素分析は分析室に試料を提出するだけだったがデータは読んだ。国立衛研ではHPLC、GC、MS、IR、UV-VIS、原子吸光、ICP-AES、TOC計、イオンクロマト、カールフィッシャー水分計、液体シンチレーションカウンタ、ガイガーカウンタといった装置を使っていた。(全部自分自身が使ったわけでなく、同僚が使うのを見たり実験報告会でデータについてディスカッションしただけの装置もある。)
今の職場ではHPLC、GC、MS、IRを主に使う。TLCもやる。
こうしてみると結構いろいろな分析手法を使ってきたものだ。
それと、昨日書いたとおり今いるのは実に幅広い装置を使う分野で、前職で使ってきた装置に加え、NIR、テラヘルツ光、XRF、XRD、SEM-EDX、CE、IR-MSなどなど、自分では使わないが論文や学会発表で接している。ただし定量や信頼性保証に関してはあまり進んでいると言えない分野だ。でもそれは前職で取り組んできたことだし、今でも大きな課題だ。
考えてみれば、定性中心の分析と定量重視の分析の双方に身を置いた経験がある分析屋は意外に少ないかもしれない。私の知識は決して深くはないが、幅広いとは言えるのではないか。
こうして私は執筆を引き受けることにした。
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