ノイズの話(10)分析機器工業会のGC及びGC-MS規格
書き始めてもうすぐ2ヶ月になるノイズの話。あと、ヨーロッパ薬局方と環境省「要調査項目等調査マニュアル」を紹介したら中間まとめを書きたいと思う。

前回 分析機器工業会の液クロ規格について書いたので、今回はGCとGC-MS規格。といっても、どちらも JISのGC通則及びGC-MS通則 とほぼ同じ。振れ幅そのものがノイズ幅。
これだけで終わってしまったらあっけない。GC-MS規格のほうに簡単な解説があるので引用しておく。
ノイズ幅の算出方法としてはPeak-to-PeakやRMSなどがある。 Peak-to-Peak は、サンプルとノイズの信号値の比を表した値である。 RMS(二乗平均平方根:Root Square Mean)は、各々の数値を二乗し、それら二乗したものの平均を求め、その平均値を平方根に開くと言う、一連の数値の統計的な取扱い方で二乗平均平方根という。本文ではPeak-to-Peakで算出した例を示す。
SN比は測定対象試料、カラム、測定モード、測定質量範囲、測定インターバル、ガスクロマトグラフ条件、マスクロマトグラムを構成する質量範囲、マスクロマトグラムのスムージング処理法の有無、ノイズの算出方法等により値が変化するため、比較においては注意を要する。
この後半にいくつも挙げられている測定条件。GC-MSを使っている人なら、それぞれがどう違えばどの程度ノイズの様相が変わるか感覚的にイメージできますよね。(GCやLCも同様。)ノイズ幅なんてちょっとした条件で相当変わるのだから、2倍の違いなんてたいした問題でない・・・という考え方もあると思う。中間まとめでは、そんなことも論じてみたい。
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