分析機器メーカー社員の南極出張
今日の朝日新聞朝刊経済面で「堀場製作所社員、南極へ」の記事が目に留まった。asahi.com にも掲載されている。(堀場製作所の社員が南極へ 大気中の微粒子など観測)
分析・計測機器メーカー堀場製作所(京都市)の社員、青山朋樹さん(26)が第49次南極観測隊の越冬隊員に選ばれ、28日に日本を出発する。12月下旬に昭和基地に入り、09年春まで駐在して大気の観測などにあたる。分析装置を開発してきた青山さんの技術力や「若さ」が買われたという。
青山さんは現地で、自社製のエックス線分析装置を使い、空気中の微粒子の成分を分析し、南極の大気の様子などを調べる。これまでは大気のサンプルを日本に持ち帰っていたが、現地調査でより精度の高いデータ収集が期待できるという。
南極調査の中心となる国立極地研究所(東京)によると、企業の社員が越冬隊で研究観測を担当するのは珍しいという。青山さんは「南極は大気中の微粒子がとても少なく、技術的にも貴重な蓄積になる。オーロラなども見てみたい」と話している。
分析に携わっていると、機器メーカーの社員にラボへ来てもらって共同でデータ取りをする機会がときどきある。サンプルを持ち出せないとかリアルタイムでの分析が必要とか、理由は色々考えられる。それが何週間、何ヶ月に及ぶ場合もある。
青山さんの場合は行き先が南極、期間は一年半と、遠さも長さも一流だ。元気に活躍して成果を挙げられることを期待する。
ところで南極観測隊については「なぜかNHKの紅白歌合戦の中継でいつも出てくる」ということ以外よく知らなかった。今回の観測隊の目的については 【特集】 第49次観測隊 出発間近(岩手日報) に詳しい。やはり地球温暖化関連の観測が重視されているようだが、地質や生物等幅広い観測が行われるそうだ。国立極地研究所の 南極観測のホームページ で観測隊の動きが逐次報告されている。
25年間働いてきた観測船「しらせ」は今回が最後の航海となり、後継の観測船「しらせ」の建造が始まっている。
今年の紅白歌合戦で南極観測隊が登場したら、毎日使っている堀場のpHメーターを思い出して、これまでとはちょっと違う親しみを感じることだろう。
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