アクセス解析は、していませんでした
このブログを始めた直後から「アクセス解析は、しません」を標榜してきた。閲覧者のIPアドレスを記録する解析が個人的に好きでないからだ。
しかし、8月2日からこのブログ(ココログベーシック)にアクセス解析機能が付いた。ココログからのメールマガジンで知った。
「ベーシック」にもアクセス解析機能が付加されることは数ヶ月前から告知されていたが、私はさほど気にかけていなかった。これまでもココログの上位仕様にはアクセス解析機能が付いていた。それを試用してIPアドレスを取らない解析であることを確認していたからだ。(ココログのアクセス解析は訪問者にとことんやさしい)
ところが新サービスの内容を見て驚いた。IPアドレスをきっちり取るだけでない。クッキーを利用して訪問者にIDを付け、移動履歴が一目でわかるようになっている。何月何日何時にアクセスしたか、最初にどこのリンク元からやってきたか、どんな順序でページを移動したか、それぞれのページを何分何秒間読んでいたか。
しかも「○ページ以上移動した履歴」で検索でき、特に熱心に読んだ閲覧者を簡単に見つけられる。(ただし移動履歴の保存期間は7日間。)
さらに、IDを名前に置き換えて表示することもできる。名前がわかっている相手(コメントやトラックバックを受信したことがあればIPアドレスがわかる)の訪問を見つけやすくなる。
ソーシャルネットワークや楽天ブログには「足あと」機能があり、誰が訪問したか書き手にわかることが快感をもたらして「中毒者」まで生み出すらしい。ココログも遅まきながらこのメカニズムを利用する姿勢に転じたということか。
しかし、ソーシャルネットワークや楽天ブログのようにログインして足跡を残す仕組みのところは、むしろ訪問者が意識して足跡をつけに行くわけだ。参加者はみな平等に、互いがどんな足跡を残しているか知ることができる。それに対してIPアドレスによる解析は、知らない間に行動を把握される読者が発生する。
ここまで個人の閲覧履歴を把握できるアクセス解析が必要なのだろうか。ココログ開始当初のようなアクセス解析拒否感論議が再燃しないか。
ともかく、これからは「アクセス解析はしません」と標榜できない。苦しいながら「アクセス解析はしていませんでした」と題したこの記事を作成して自分の立場を表明する。実のところ個別の訪問者を意識するほど暇ではないが、やろうと思えば上記のような情報が取れるようになったということを書いておく。
■ココログのアクセス解析の仕様
● 新アクセス解析活用術(ココログ通信第9回)
● ココログサポート:使い方ガイド:アクセス解析
■8月2日からの新サービスへのユーザーの反応
検索と 新アクセス解析導入について(ココログスタッフルーム) へのトラックバックから反応を見てみた。意外な気もするが、すべて好意的な評価。私のような感想は一つもない。
● ココログベーシックにもアクセス解析!(Speak Low)
● アクセス解析(転べ!世渡り下手の会社員)
● アクセス解析が始まった。(安住紳一郎が好き)
● アクセス解析(チ イ の H a p p y 生 活)
● ココログのアクセス解析がバージョンアップ……していた(大阪てきとー日記)
● アクセス解析が新しくなりました。(manabiBlog)
● ココログベーシックでアクセス解析が標準装備になった。(「ありしあ」の「あ」)
● アクセス解析きた。(Unknown Underground)
● 新アクセス解析は大幅機能アップ(グワンチェ@ココログ)
● ココログアクセス解析リニューアル(まきえもんが斬る)
「アクセス解析」カテゴリの記事
- 広告の目立たない無料アクセス解析(2007.12.22)
- アクセス解析は、していませんでした(2006.08.05)
- アクセス解析の話はまだまだ続く・・・(2004.03.28)
- アクセス解析のログで目立ちたくないならクッキー削除を(2004.03.27)
- Yahoo!BBのIPアドレスはほとんど固定か(2004.03.27)
The comments to this entry are closed.
Comments
津村さん、こんにちは。寅の子文庫の樋口です。
私のお店は全45ページ全てに[忍者ツールズ]のアクセス解析を設置したのが6月6日、ちょうど今日で2ヶ月が経ちました。
一番の懸念材料は、アクセス解析をしているが故に、2回目以降の訪問を敬遠されるのではないかと言う心配でしたが、過去1ヶ月では全体の訪問数2,669人に対して2,116人が1度目の訪問という数字が出ています。残り553人のリピーター調査では50回以上の訪問者が191人で全体の7,15%という結果でした。まだ解析をはじめて2ヶ月なので、このあたりの統計の推移を注意深く見ていきたいと思います。また、これまでと変わらないペースで注文もあるので、結果としてアクセス解析の導入は正解だったのではと、考えています。使い始めたときは御多分に漏れず生ログを追いかけたり、ドメイン検索をしたりと脇道へ反れましたが3日で飽きて、というよりは、やはり暇ではないので、現在解析で使う機能といえば専ら、
1)検索語(フレーズ)
2)ページ毎アクセス数
3)時間毎のアクセス推移
の3種類に絞られつつあります。また上記とは別で気がついたのですが、[複合統計]というディスプレイの解像度(1024X768など)と、カラー数(32bitなど)の解析は商品棚ページを含むサイト全体を作成する上で大変参考になっています。
以上、簡単ではありますがアクセス解析導入の使用感について書いてみました~これで無料ですからオンライン古書店の運営者としては使わない手はありません。あとは解析の結果を扱う運営者のモラルの問題で、道理に外れた使い方や下手な詮索に走れば、天道とは厳正にして天罰必定と知らなければならぬ・・・
などと思っています(^-^)/
Posted by: 寅の子文庫 | 2006.08.05 04:33 PM
樋口さん、こんにちは。
ビジネス用サイトにアクセス解析は必須ですね。より顧客ニーズに合ったサイト作りに欠かせません。
閲覧者としても、オンラインショップのオーナーに閲覧履歴がわかったところで気にはならないと思います。
アクセス解析されて気になるのは、サイト主と多少とも個人的な付き合いがある場合でしょう。しかし、「気になる」だけであって、閲覧履歴がわかったからといって重大な問題が起こることはまず考えられません。まあ、その程度のことなんですが、アクセス解析というものがあることを知らない人は気持ち悪いと思うかもしれないので、説明しておきたいわけです。
Posted by: ここの管理人 | 2006.08.06 09:18 AM