HPLC用フィッティング解説書
HPLCをどの程度使い込むかは、人によりラボによりさまざまだ。
「ODS系カラム1本を装着したまま・条件変更は移動相程度」レベルから「流路の変更自由自在・別メーカー品や手製装置まで接続してしまう」レベルまで。
概して、カラムや流路の切り換えに抵抗感が少ないほどHPLC通の気分になれる。しかしこういう技術についてのまとまった解説は少ない。これまで私の手持ちの解説は「液クロ龍の巻」「液クロ武の巻」の各2~3項目くらいだった。
最近、三和通商株式会社のサイトでフィッティングの解説書 "all about FITTINGS" (by John W. Batts, IV) の日本語訳が公開されたので読んでみた。
2時間ほどで読める。わかりやすい。噛んでふくめるような丁寧な説明、図が豊富だ。
フィッティングが色々な種類のナットとフェルールから成ること、インチネジとメートルネジの規格を表す数字の意味、フィッティングがチューブを保持する仕組み、アダプタとユニオンの違いなど、よくわかった。特に、フェルールとポートの角度が一致していてはいけないということが図解で示されていて初めて理解した。HPLCだけでなくGCのフィッティングも同じではないか。
この解説書は 三和通商株式会社 のサイトからPDFファイルとして無償でダウンロードできる。
英語版は Upchurch Scientific のサイト内、製品小冊子のページ からダウンロードできる。
日本語版には若干の誤訳や誤植があるが、全体的に読みやすい訳だ。挿入されている詩は原文でないと美しさが伝わらないので引用しておく。「小さなフェルールの歌」は特にリズミカルに読める。
小さなフェルールの歌
A Little Ferrule Ditty…Ferrules face the port
When pressures are high
But they face the nut
When low pressures apply!
どれを選ぼうの詩
Which to Choose - a poemSteel on plastic
Way too drastic!
Plastic on steel
What a deal!
追記(2007年12月19日)
日本語版の誤訳・誤植の箇所につき三和通商株式会社より問い合わせをいただき回答しました。私が気づいた点はすべて修正されました。
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