アクセスカウンタに罪はない
アクセスカウンタの数値がどれだけ当てにならないかについて。ウェブサイトに詳しい人には「今さら」な話。最後の結論は私の職業色が濃く出てしまった。
アクセスカウンタには、「ユニークアクセス」を数えるものと「トータルアクセス」を数えるものがある。「ユニーク」カウンタは、同じIPアドレスを一日一回しかカウントしない。「トータル」カウンタは、同じIPアドレスで何回アクセスしても全部カウントする。
当然、「トータル」でのカウントは「ユニーク」よりも多くなる。
カウント数はアクセスカウンタが設置されている場所に影響される。「表紙・目次・更新情報」の3つが同じページにまとめられているサイトで、そこにアクセスカウンタが付いている場合、カウント数は最大になるだろう。逆に、「表紙だけ」のページに付いている場合は、最低になるだろう。
カウンタが目次のあるページに置かれている場合、カウント数はサイトの構成にも影響される。各ページにメニューが付いていれば読者が目次ページに行く回数は少なくなるし、ツリー構造で必ず目次へ戻る構成であれば、カウント数は多くなる。
ブログは提供元によって仕様がいろいろだけど、ココログのように同じカウンタを全ページに貼り付けるブログでは、全ページがカウント対象になる。表紙ページだけに付いているカウンタとの違いは大きい。こういうカウンタではページ総数、つまり過去の蓄積が常に現在に影響を与え続ける。まあ、同じペースでやっていても確実に一日当たりのアクセスは伸びるわけで、やる気に結びつくかもしれない。
アクセス数はサイトの更新頻度と更新の規則性によっても影響される。「毎週○曜日に更新」と宣言してそのとおり実行するサイトへの訪問は週一回でいいだろう。毎日更新、または数日おきにランダムに更新されるサイトへは、毎日チェックに行く人が多いだろう。特に掲示板は、参加者がリロードを繰り返しているとしか思えない速さで議論が進行することがある。
カウンタは様々な理由で「数え落とし」をする。訪問者のブラウザに異常があった、Javaスクリプトがオフになっていた、極めて短時間で別ページへ移動した、などなど。
付け加えれば、サイト管理者によるカウント水増しも可能ではある。そんなことをする人はあまりいないと思うけど。(参考:相互リンクを成功させる方法)
このように、アクセスカウンタの数値は設置環境(サイトの状況とサイト内での設置場所)に大きく依存する。
だからといって、アクセスカウンタ自体が信用できないと言っているわけではない。計測機器で得られる数値は正しく評価して使わなければならないと言いたい。
正常な温度計であれば、その数値自体は信用できる。でも、その温度計がエアコンの室外機のそばに置いてあることを無視して「今日の最高気温は40度だった」などと言えば、正しくない情報になってしまう。
カウンタは、自分が置かれているページが読み込まれた回数を実直に記録する。その数値自体は真実だ。(数え落としという系統誤差やサイト管理者自身によるアクセス等も含めて。)数値だけを取り出して何か言う場合、特に、サイトをトータルに表現する場合に問題が起こる。
とはいえ、サイトの影響力を直感的に伝えるのにアクセス数は非常に便利な指標だ。私は他サイトのカウンタに言及するとき、最低限、「ユニークカウンタかトータルカウンタか」「付いている場所は単独ページか全ページか」は把握した上で書くようにしている。トータルカウンタであれば、決して「訪問者**人」とは書かず、「**アクセス」「**ヒット」などと書く。全ページ対象のトータルカウンタであれば「ページビュー**回」と表現している。
アクセスカウンタの数値を使ってサイトのアクセス頻度を一律に表すのは非常に難しいと諦めた上で、どうしても使いたい時には、せめて表現方法を工夫している。
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Comments
中小企業診断士のTOSHIです。
なるほど、アクセスカウンタは、カウント内容によって表現を変えるくらいの気遣いが必要ですね。
Posted by: TOSHI | 2004.08.07 09:55 AM
TOSHIさん、コメントありがとうございます。TOSHIさんのブログ「中小企業診断士のビジネスニュース講座」とホームページ「T's Office」を訪問させていただきました。お仕事関連に特化した内容ですね。私もメインは専門情報を扱う本館の方と考えていますので、専門性が高いサイトのオーナーさんには親しみがわきます。
Posted by: ここの管理人 | 2004.08.08 06:15 AM