分析化学に携わるみなさんへ:サイト開設のお誘い
本館 からこのblogへも来てくれている同業者は非常に少ないかもしれないけれど、そろそろ一番訴えたいことを書いてみる。「分析化学の個人サイトを開設しませんか」ということを。
専門情報サイトを作る面白さ
これまでにも繰り返し書いてきたが、「専門知識を文章にしてネットで公開する」ということは、けっこう面白い。コンピュータやインターネット関連の専門知識は既に大量に公開され続けているからオリジナリティーのあるものを作るのは難しいだろうが、それ以外の専門知識は、まだまだ充実しているとは言いがたく、日本語の情報がまったく存在しないものも多い。
そういう情報(主に活字)を自分なりにまとめて公開するだけで、検索に拾われて誰かの役に立つ。今ではアクセス解析を手軽に利用できて、サイトを訪れた人がどんな業種か、検索語は何か、初回来訪かリピーターか等、閲覧のされ方が簡単にわかる。
これは知識の産直活動みたいなものだと私は思っている。流通経路としてはメインになり得なくても、「生産者の顔が見える」「消費者と触れ合える」物流が根強く支持されるように、やっている当人にとって嬉しい。また、パーソナリティと結びついた専門知識が公開されることは、世の中の多彩さ・豊かさを増すと思う。
分析のように、ともすれば黙々と実験室の中でデータを出すだけになりがちな職種にとって、こういう産直活動は仕事の励みになるのではないだろうか。
一人ではリピーター確保が難しい
サイトを開設していてうれしいのは、やはりリピーターの存在だ。検索でヒットして訪問されても、自分の提供した情報が役立ったのかどうかはわかりにくい。再度来訪してくれる人がいれば、「自分が既に提供している情報」だけでなく「自分がこれから提供するかもしれない情報」つまり自分本人に対して何か期待してくれたみたいだと思うことができる。
しかし、専門情報をコンスタントに提供し続けるのは難しい。私の場合も、昨年は開設1年目だったから、これまでの研究内容から少しずつ引用することで毎週の更新を続けた。でも、今はそのネタがほぼ尽きて、毎週というのは難しくなった。
提供したら喜ばれそうな情報自体は山ほどある。(主に書評や文献の要約や総説的なもの。)でも、それらを文章にするのは手間がかかることだから、私の場合は、まあ月に1回程度が限度かなと思っている。
でも、月に1回の更新では、リピーターは来てくれないだろう。だから、似たようなことをする人が他にも大勢現れたらいいのに・・・と考えることになる。
一群のサイトへのリンク
似たようなサイトを集めてどうするか。
分析化学に関連する個人サイトは 私のはてなアンテナ に登録させてもらいたいと思っている。(別に私のアンテナでなくても、誰のものでもかまわない。)こういう自動巡回のリンク集に載っていれば、半年ぶり・一年ぶりの更新でも気付いてもらえる。
blogの場合は、MyblogList にも加えさせていただきたい。このリストは、サイドバーの中に表示され、新しく更新されるたびに各blog名が上のほうへ移動する。(今のところ私のMyblogListは、分析化学関連だけでは寂しすぎるので、幅を広くして化学関連blogを集めている。ただし開設者がサラリーマンまたはウーマンという限定付き。)
一般向けに書くか専門家向けに書くか
一般向けサイトか専門家向けサイトかは、開設する人の好みや条件に応じて選べばいいことだ。参考までに、私が専門家向けに作っている理由を挙げると
・一般向けにわかる説明を書くのは面倒。
・自分の勉強したいことだけ書くとどうしても専門家向けになる。
・専門用語が多いほうが検索で拾われやすい。
・中途半端な説明になって一般の人に誤解されるのが怖い。
このように、まったく自分の都合だけで専門家向けにしている。
付け加えるならば、職場からのアクセス(主に専門家)は所属先の見当がつくが、自宅からのアクセス(主に一般の人)は訪問者層がさっぱりわからない。
blogかHTMLファイル自作か
目下、blogは急速に広がっている。私がこのblogで公開した文章量が反映しているとおり、ファイルの管理がとても楽だ。ややこしいことが苦手な人は、blogから始めるのがいいと思う。
でも、記事が増えてくるとインデックスを作りたくなる。また、恒常的に掲載して随時改定していきたい文書とか、大がかりなページ構成や図表配置をしたい文書もできてくるだろう。そうなると、HTMLファイルをいじれるサイトを持ちたいと考えるようになると思う。
そういうことも見越した上で、とりあえずblogから始めるのは、最も労力が少なくて済む方法だと思う。(結局、HTMLファイルをいじりたいほど多くの文章は書かないかもしれないし・・・)
なお、HTMLファイルの作成が苦にならないという人も、blogを併用することにはメリットがある。よく言われることだが、blogは相互のリンクが強固なので検索結果で高順位になりやすいし、読者の目に触れるさまざまな機会も用意されているからだ。
個人サイト募集
そういうわけで、分析化学関連の個人サイトを開設された方は、メール・コメント・トラックバックのいずれかで御連絡をください。また、私が知らないサイトがあれば、教えてください。
とりあえず、中身がない自己紹介だけのサイトでも面白いと思う。「半年以内には第一回の記事を書きます」とだけ宣言して、それを目標に本や論文を読むとか。結局記事が書けないまま何年も経ってしまうかもしれないが、今ならこの分野で「無記事○○年」の最長記録を作れるポジション(名乗りだけは一番に挙げたという実績)を確保できる。
学生の頃には当たり前に与えられていた「輪読会」「レポート提出」などの機会だが、社会人になってしまったらほとんど得られない。インターネットを利用すれば、学費を払わなくてもそういう機会を作れる。
なお、私が現在把握している分析化学関連個人サイトは下記の3つだけです。それぞれに個性がありますから、訪れて参考にしてください。
丹羽誠さんの「分析化学・薬物動態学ホームページ」
クロやんさんの「インターネット随想」(注意:音楽が鳴ります。)
秋月ナルさんと綺羅さんの「秋月日記」
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Comments
ブログのメリットは、他にもあります。
以下は私が取り組んでいる「地方政治家」の分野になりますが、トラックバックしてもらうことで、新着記事一覧が作れます。
http://hytn.kir.jp/mt/user/netdekansi/chihou.html
これは私のブログのカテゴリに「トラックバックを受け付ける」設定にするので、ココログでは無理かもしれません。
また、各ブログで作られているXMLファイル(このサイトと連携する)を使って、各ブログの新着記事一覧が作れます。
http://hytn.kir.jp/magpierss/chihou.php
ご参考まで。
Posted by: 聞きかじり | 2004.05.12 07:23 AM
聞きかじりさん、どうもありがとうございます。
どちらも、私には無理みたいな気がします。技術がついていかない・・・。
がんばって仲間を増やして、その中からネット技術に詳しい人が現れるのを期待することにします。
Posted by: ここの管理人 | 2004.05.14 04:01 AM