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2004.04.30

匿名と実名を判別する基準 Ver.1

 本館の 匿名のかたと実名のかたへ の補足です。私のサイト内では、私がネットで関わりを持つ個人について、次のような基準で匿名・実名を判断します。とりあえず思いついたことを挙げているので、今後修正する可能性があります。

初期値
 誰でも漠然とやっていることでしょうが、インターネット上で継続的に表現されている人格に対して、私が最初に一応の匿名・実名の判別をする基準は、「人名として不自然でない氏名かどうか」です。ただし、自分は外国籍ですとか、珍しい名だけど本名ですとか断りが付いていれば、この限りではありません。

 実名を名乗りたくない人の大部分は、実名でないことが一目瞭然なハンドルネームを使っています。人名として不自然でない氏名をハンドルネームにするかたもおられますが、そういうかたは、自分のサイト内の目立つ場所に明記したり、新しい場に入っていくときには実名ではない旨をまず述べる場合が多いように思います。

 実名らしきハンドルネームを名乗る人たちは自分からその旨を申し出るであろうという性善説に基づいて、人名として不自然でない氏名のかたを、本人による否定がない限り、まずは実名と考えます。
 なお、芸能人や作家が使用する芸名・筆名も実名の範疇ですが、自称芸能人や自称作家のかたが有名でない芸名・筆名を名乗られても、私は実名とみなしません。

専門情報の提供者を実名と認めて引用する基準
 上に書いたのはほとんど手間をかけない方法です。たいていの場合はこれで十分でしょう。
 しかし、信頼できる専門情報として私が 本館 で個人ページを引用したり紹介したりする場合は、次のような方法でサイト開設者が実名であることを確認します。

  1. オフラインで本人を知っている。(知り合いである。または、知り合いの知り合いである。)

  2. サイト内で所属先を明らかにしている。(ただし、実在することが容易に確認できる所属先であること。)

  3. サイト内から「自分の氏名+所属先」が記載されている別サイトにリンクして「これは私です」などと書いている。(所属先名で検索されたくない場合に使える方法です。)

  4. マスメディアに取り上げられている。

  5. サイト内に自著論文、学会発表、著書(出版社から刊行のもの)のリストがある。

  6. サイト内に所属学会名が明記されていて、その学会の名簿に氏名が掲載されている。

  7. (名簿を頻繁に発行しない学会の場合)サイト内に所属学会名及び自分が入会者氏名欄に掲載された学会誌の巻数・号数が明記されている。

  8. 上記いずれかの方法で実名と確認できる別の人のサイト内で、実名であることが述べられている。

 つまり、刊行物で著者名として公開されている氏名は(旧姓使用などの事情で戸籍上の氏名と異なっても)実名と見なします。刊行物での情報発信を行っていない方については、「オフラインで連絡を取ろうと思えば取れるだけの情報が提供されているか否か」を要件とします。
 これは一般的に考えれば厳しすぎる条件のように思われるかもしれませんが、分析化学という特定の分野に関わる専門家どうしの間に限れば、それほど非現実的な条件ではないと考えます。また、当人がサイト内で公開している専門的な情報内容は、存在確認を補強します。
 ただし、上記に該当していても、ネット上で実名を名乗っていないかたは匿名と見なします。これは、当人が実名者として扱われたくないとの意志を表明しているものと考えられるからです。

「批判」に関連して実名と認める基準
 私が匿名・実名を初期値よりも厳格に判断するもう一つの可能性として、blogに批判が書き込まれた場合があります。blogには専門性と関係なく誰でも書き込めますから、上に書いた確認法が一つも役に立たないケースもありえます。
 書き込み者のサイト内に「出身学校名と卒業(または入学)年次」が書かれているかどうかは、かなり重要な判断材料になります。また、「勤務先でも出身校でもない公式団体への所属」も判断材料になります。
 これらが下記のような方法で客観的に証明されている場合に、書き込み者を実名と考えます。

  1. 出身校の同窓会やOB会のHPに氏名が掲載されていて、自サイト内からそこへのリンクを張っている。

  2. スポーツ関係、芸術関係等の公式な団体や大会のHPに氏名が掲載されていて、自サイト内からそこへのリンクを張っている。

 これらは「そういう氏名の人が実在することは確認できる」方法です。しかし、「いまネットで○○と名乗っている人」と「某同窓会のHPに書かれている○○という人」が本当に同一人物であるかどうかまで確認することはできません。
 従って、こういう自己紹介がネットで掲載されていた期間がどのくらい長いかが、けっこう重要になります。期間が長ければ長いほど、もし○○さんが「なりすまし」であった場合には、当人や知人が気付いて抗議する確率が高くなるからです。
 別法として、次のようなことも考えられます。
  1. 同窓会やOB会の掲示板で、「xx年卒の○○です」と自己紹介した上で、自サイトへのリンクを張っている。

  2. 同窓会の掲示板がない場合は、例えば ウェブ同窓会「この指とまれ!」 のようなサイトの出身校別掲示板も利用できる。

 これらの方法が信頼性を持つためには、書き込まれている掲示板がどれほど多くの人の目に触れているかが重要になります。
 なお、最近さかんになってきたソーシャルネットワークによる認証も、これから利用可能になるかもしれません。

ネットでの個人認証の限界
 ここに述べた方法の裏をかく方法はいくらでもあると考えられます。しかし、そういう細工をするためにはそれなりの手間がかかるわけで、そんな手間をかけてまで虚偽の実名を名乗る動機があるかといえば、たいていの場合は、あまり考えられません。
 個人を完璧に認証するのは、実生活でも難しいものです。私のサイト内で「匿名・実名」を識別する基準は上記の程度であり、私が追求している厳密さもこういう範囲内であるということをお断りしておきます。
 また、真に難しい判断が必要になる場合(現実にはあまり起こらないと思います)に私が根拠とするのは、確認できる事実のみです。「ネットで表現されている本人の誠実さ」「真実味」「存在感」などは、いっさい関係ありません。人間どうしの信頼関係を大切にするからこそ、厳密な判断においては、信頼関係に影響するようなことは材料にしません。

参考リンク
 上記で例に挙げた「この指とまれ!」のblogの記事 なぜ実名主義なのか にトラックバックしています。

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Comments

はじめて拝見しました。
トラックバックありがとうございます。
まだよく把握できていませんので、じっくりと読ませていただきたいと思います。
今後ともよろしくお願いします。

Posted by: kwama | 2004.05.02 at 12:58 AM

 kwamaさん、コメントを付けにきてくださり、ありがとうございます。「Echoo!」がこれからどのように広がっていくのか、興味深く見せていただいています。

Posted by: ここの管理人 | 2004.05.02 at 05:52 AM

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