「専門家は個人の責任で情報発信するな」について:補足
前記事の書き方だけでは不十分かもしれないと思ったので、補足しておく。個人ページは本人だけの責任で作るものだ。組織または他人にちょっとでも責任の一端をなすりつけられると考えるのは甘い、ということ。
徳保さんの最初の提起は非現実的だが徹底しており、筋が通っていた。しかし、どうも最終的には「自分だけで判断せずに、誰かにチェックしてもらいましょうね」という努力目標に置き換わってしまいそうだ。
このこと自体は別にかまわないのだが、私はちょっと心配である。
ウェブデザイン業界というところでは、今後は「ちゃんと上司にもこのサイトのことを伝えてあります」などと公言する個人ページが増えるのでは?
つまり、徳保さんの文章には「単に他人の好意を当てにしてチェックしてもらうだけの行為」のことを「組織のチェック」と呼んでいる部分があまりに多いので、混同する人が出てくるのではないか、ということ。まあでも、他業界のことだから、ウェブデザイン業界ではそれでいいのかもしれないけど。
私と近い立場にある人に対しては、注意しておく。たいていの「組織」は、そんなに簡単にチェックしてくれたりお墨付きを与えたりはしてくれない。お墨付きがほしいなら、組織にとってもメリットがあることを示しながら、それなりの手続きを踏んで承認を得るしかない。(前例がない事項については、おそらくトップに近いところまで上がらないと判断は降りない。)
そこまでする気がないなら、完全に個人の責任でやるのが筋だろう。自己チェックだけでは不安だから友人や同僚や上司に見てもらうのはいいことだ。そういう人脈はなるべく豊富に持っておくほうがいい。でも、「誰々さんに見てもらった」と公言するのはやめたほうがいいと思う。特にその誰々さんが自分と同じ組織の人である場合は、読者に対して個人ページの内容が組織と関係あるように見られてしまう。
私自身、私のサイトを見て公開の感想を書いてくれているところへのリンクは張るが、個人的に誰から意見をもらったとか、所属組織の中で誰かに見てもらっているかどうかなんてことは、一切明らかにしないつもりだ。
(「外かんのできる街で」さんの記事 にトラックバックしてます。)
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