わかれて、しあわせ
今日はきれいに分かれて、さっぱりした。私が日記的なことを書くのは異例だけど、これは化学系の分析試験室で日常的によくあるシーンということで・・・。
新しい液クロのカラムを試してみたら、今までちょっときわどかったピークどうしが見事に分離した。
分かれるとうれしい。ほとんど生理的なレベルで気持ちがいい。化学系分析屋の仕事の中で、一番楽しい瞬間だと思うくらい。
分析が本業の人に限らず、化学系は分離に悩む場面が多い。私は大学院生の頃、有機合成の研究室にいた。そこで席が隣だった先輩は、カラムクロマトをやるたびに必ず「頼む!分かれてくれ!」と叫ぶのだった。
たいへん女性にもてる男性で、噂では「あいつは研究室の外でも『別れてくれ!』としょっちゅう言っているに違いない」と言われていた。
その噂が真実だったのかどうかは知らないが、あるとき私が実験に失敗して反応液が明るい朱色になってしまって呆然としていたとき、その先輩はすかさず「洋服とおそろいやね」となぐさめてくれた(?)。そのとき私は、不本意にできてしまった色とよく似た色の服を着ていたので・・・。なかなか洒落たことをすんなりと言える先輩だった。
NMRで光学異性体比を見るためシフト試薬を加えて、劇的に分かれてくれたときも感激だったな。分かれるのは大好き。
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