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February 2004

2004.02.29

2004年2月の記事目次

続「世間体」を気にかけながら書く
別サイトの閲覧歴がわかる場合(アクセス解析)
ブラウザ経由のメールでもIPアドレスがわかるか
「世間体」を気にかけながら書く
メールからIPアドレスがわかることも多いらしい
研究者・技術者のためのblog案内
アクセス解析していないことを検証できない場合
コメントへのお返事(アクセス解析)
「訪問者にやさしいアクセス解析」
blogでのアクセス解析とセキュリティ
「アクセス解析しません」宣言は、はた迷惑?
アクセス解析していないことを証明するには?
アクセス解析は、しません
仕事中に平然と開けるサイトデザインは?
BlogPeopleで紹介されそうになった
blogとフォーラム(掲示板)は競合するか
半年に一回書くblogをめざして
分析技術者のかた発見2

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2004.02.28

続「世間体」を気にかけながら書く

 前の記事 に対して三中信宏さんがわざわざコメントを付けにきてくださって、こちらこそどぎまぎしています。it1127さんとonoさんのコメントも合わせて、お返事モードで記事として書きます。
 ウェブで語るのは「自分のため」が基本でありながらも、公開の場で書くこと自体、誰かの反応がほしいという気持ちがあるわけで、他人のためになる(=より多く読まれる)ことがすなわち自分の励みにもなる・・・という動機づけ経路が存在することについては、多くの人が言及しています。
 しかし、この観点はあまりに当たり前なので置いておいて。

 私が使っている言葉が「世間体」や「言い訳」であることに御注目ください。「社会貢献」「社会的意義」等の語は意識して使わないようにしています。
 「世間体」や「言い訳」というのは、自分(の保身)のためにすることですよね。実態は自分がやりたいからやっているだけだとしても、宮仕えの身であれば特に「世の中のためにもなってます」と言えるように体裁をつくろっておくほうが精神的にラクでは?ということです。

 しかし、私が 組織の中の研究者・技術者がウェブで語るとき で書いているのは、もう一段深い話です。
 社員が個人的にやってることが世の中全般の役に立ったって、会社にとっては別にありがたくないんです。問題は、会社にとってメリットがあるかどうかです。
 それなら「自分の専門性を高めるためにウェブページ作りが役立っている」ことがわかるサイトにするのが良いのではないか。つまり、会社の持ち駒である自分の技量が高まって会社にもメリットをもたらすかのような期待感のあるサイトにすることだ・・・というサラリーマン的ヒクツな発想が、私の提案の核心です。
 本館では格調高く書いたつもりですが、こうしてコメントに答えて中身を説明すると、ミもフタもないですね。

 それからサラリーマン研究者は自営業的な研究者と違うのかという点ですが(三中さんの日録(2/27))、私が知る限り、違うと思います。一般企業や地方研究機関の研究者には、実名あるいは自分の仕事内容がわかる形でサイトを開設している人はほとんどいません。個人的に話せばウェブで自己表現したい気持ちを持っている人はけっこう多いにもかかわらず。
 サラリーマン研究者は人目を気にします。私は、サラリーマンがウェブで発言できる程度に人目が気にならなくなるヒントを何か提供できればと願っています。分析化学というのがそもそも方法の科学で、何によらず方法論の話は大好きです。
 方法を論じる大前提として目的があります。私が主に想定している目的は「ウェブで語りたい」という個人的な欲求ですが、「社会の役に立ちたい」であっても応用は可能だと思います。あまり意識せずに気分によって目的が変わる人も多いのでは。その点はit1127さん、三中さんとちょっと観点が違いますね。私は各人がどんな目的でサイトを作るかについては関知しておらず、特定の目的を実現するための方法を書いています。

 三中さんは昨日(2/27)がお誕生日だったんですね。おめでとうございます。
 onoさんのblog は、以前からRSSリーダーにリストして読ませていただいています。組織と個人との関係についての記事が多く、共通するものを感じます。

追記 続編あり 続々「世間体」を気にかけながら書く

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別サイトの閲覧歴がわかる場合(アクセス解析)

 いつか書こうと思いながら書けずにいたことが、もう一つある。訪問者が直前または別窓で訪問したページのURLがアクセスログに残る場合があるということ。俗に「誤爆」と言われる現象だ。こんなことを書いたら、本館に気軽にアクセスしてもらえなくなるのではないかと思いつつ・・・。

 アクセスログを見たことがない人のために説明すると、訪問者がリンクをたどってページからページへ移動した場合、移動先のアクセスログには移動元のURLが「リファ」として残る。訪問者がブラウザの「お気に入り」から来たり、URLを直接入力したりして来た場合は、リファは空白になる。つまり、リンクが張られていないページに関しては、訪問者が直前にアクセスしていたとしても、ログには残らない。

 ところが、インターネットエクスプローラーVer5では、直前のURLまたは別窓で開いているURLが時々ログに残ってしまうバグがあると言われる。
 私が本館でアクセス解析を行ってきた経験上では、そういう現象は確かにある。ただし、頻度としてはきわめて低い。千アクセスに1回よりは少なく、1万アクセスに1回よりは多いかなという感じ。数千アクセスに1回というところか。

 ブラウザ別の統計では、本館へのアクセスはインターネットエクスプローラーVer5を利用したものが2割程度ある。もし本当にIE5シリーズだけで起こる現象なら、IE5を使っている人に限れば頻度はもっと高いのかもしれない。
 「誤爆」を起こしたアクセスがIE5のものかどうかは、生ログを見ればわかる。でも私はリファの統計で「誤爆」を発見するだけで生ログまで見ないから、本当にIE5でだけこの現象が起こるのか知らない。
 生ログを見ない理由は、見たら接続元ドメイン(つまり会社名)までわかってしまうからだ。今まで「誤爆」で残っていたURLは、ほとんどが私のサイトと似た分野の公的機関等のサイトで、別に重大なプライバシーとは思えないのだが、それでも他人の閲覧場所がわかるのはイヤな気がする。

 そういうわけで、メールからIPアドレスがわかることも多いらしい と同様きっちりとしたデータのない話で恐縮だ。しかも、対処のしようもない。(自分が「誤爆」していないか確かめる方法がない。)閲覧したことを絶対知られたくないページを見た後は、いったんブラウザを閉じるようにするとか・・・かも。それから、起こる頻度は非常に低いということも再度強調しておく。

追記1:コメント欄でShinさんが書いておられるリンク先には、興味深い情報があります。

追記2:続編あり 3月20・21日に臨時アクセス解析します

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ブラウザ経由のメールでもIPアドレスがわかるか

 メールからIPアドレスがわかることも多いらしい の中で、「個人向け接続サービスを経由してメールを出しても、POPアクセスでなければIPはメールサーバーのものになるらしい」と書いた。この部分を訂正します。POPアクセスでなくても、自分のIPが入ってしまう場合がある。(入るのが一般的?)

HTMLメールは、IPアドレスを通知する (EarlGrey Tearoom)より

通常はメールのヘッダで送信元を特定できますが、HotmailやYahoo!などのウェブメールでは、ヘッダではわかりませんから

名寄せを利用したプライバシー侵害の手法:個人Webサイトからの追跡 (philosophical)より

ブラウザから送信するタイプのメイラでも端末の IP アドレスは大抵(独自)メッセージヘッダに記載されます。Hotmail も Yahoo も送信元 IP はわかります。

 いったいどっち?と思ったので、HotmailとYahooのメールアカウントを取って試してみた。私の場合、HotmailでもYahoo!でもIPアドレスはReceivedヘッダに入った
 @Niftyのホームページから送信するぶんには、@NiftyローカルのIPが入り、私自身のIPは入らない。しかしこれは、私の利用資格が「お手軽1コース」で、制限時間を超えたら追加課金されるような接続だからかもしれない。
 メールでIPアドレスを送信しているかどうかは、個別の接続環境ごとに確認しなければわからないということだろう。(当たり前すぎるけど念のため。確認は自分宛てにメールを送って行うが、@Niftyから@Niftyに送信してもダメ。別のドメインのアドレスへ送信する。)

追記:続編あり 別サイトの閲覧歴がわかる場合(アクセス解析)

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2004.02.25

「世間体」を気にかけながら書く

 ウェブで個人として情報発信する研究者は結構多いし、情報発信のための方法論に関するページもいくつか存在している。そういう面だけでとらえれば、私のウェブサイトは特に珍しいものではない。
 私のサイトが変わっているのは、組織の中の研究者・技術者のために情報提供したいと考えているところだ。「組織の中の」というのは、噛み砕けば「サラリーマン的な」とも言い換えられる。例えば自分の名前で論文を出すには出すが、その仕事の内容は組織として行ったもので、たまたま自分が担当者だったから筆頭著者になっているだけだとか、企業秘密に関わる研究内容が多くて、そもそも論文が出せないとか。名前が売れても何のトクにもならないサラリーマン専門家がウェブで何かを語るということについて、あれこれ考えている。
 これに対して、組織に縛られない研究者という立場がある。もっとも、完全に縛られない状態というのはないだろうが、個人として独自性を出すことに価値があると一般的に認められる立場にある人たちということ。そして、研究テーマの設定や時間の使い方について個人の裁量範囲が大きく、結果責任も大きい(次のポスト獲得や研究予算獲得にはね返る)、そういう立場を仮に「自営業的な」立場と呼んでおく。
 これら2つの立場は明確に二分されるものでなく、一個人に両面が同居する場合も多い。でも、たいていはどちらかの立場のほうが強い。

 サラリーマン的な人と自営業的な人では、いったいどこが違うのか。
 もっともリアルに表現する言葉が「世間体」だと私は思う。自営業の場合は、ウェブでの発言に大きな労力をかけた結果は自分に返ってくる。だから、人脈作りに役立つとか、新しい着想を得るとか、単にストレス解消になるとか、経路はさまざまだろうけれども、とにかく自分にとってプラスになると思うだけ時間を使えばよい。
 これに対して、サラリーマンは直接的な結果責任を負わない。仕事に真面目に専念しないサラリーマンにも給料が支払われ、雇用が確保され、損失を組織がかぶる比率が高い。こういう場合は、少なくとも人目に付く範囲においては、自分が納得するだけでなく他人も納得できるような時間の使い方というものを心がけておかないと、周囲の人にストレスを与えてしまうことになる。
 それから、自営業的な専門家は、組織とは独立した才能や個性とみなされやすいが、サラリーマン的な専門家のやることは、どうしても組織と一体とみなされてしまいがちだ。
 端的に言えば「インターネットなんかにあまり熱心になっているように見られたくない」「あの会社の社員がこんなことをしていると思われたらまずい」といった気兼ね。これを「世間体」と言う。

 こういうことを、もっと長い文章で書いたのが、組織の中の研究者・技術者がウェブで語るとき だ。これに対して、独立行政法人・農業環境技術研究所の 三中信宏さん が感想を書いてくださった。日録(2003年12月29日) にはこのようにある。

確かに「組織の中の研究者・技術者がウェブで語るとき」には人によって動機付けが異なるだろう.ぼくにとって?――それは「自分のため」です.少なくとも他人のためではありえない.そういう利己的なモチーフがあって初めて持続するパワーが生まれるのだと思います.津村さんは「自己研鑽の動機付け」と言っていますが,「研鑽」ということばはあえて外してもかまわないのではないですか? 「自分のため」だけで十分.

 「自分のため」だけでは不十分な人たちが大勢いると思う。「自分のため」と言い切れる立場を手に入れるのは非常に難しい。
(説明すると、筑波の国立研は2001年に軒並み独立行政法人化され、自由度が増すと同時に業績評価も厳しくなった。これに対して私の所属していた国立研は行政との関連が深いとして独法化されていない。また、私の現在の立場は前のポストよりももっとサラリーマン度が高い。)
 三中さんのコメントは2ヶ月前のもので、何か反応したいと思っていたが、本館 ではきっかけがなかった。今ごろこちらで書いてみた。
 そういうわけで、このblogのキーワードは「世間体」だ。ホンネでは自分の楽しみとしてウェブで発言したいサラリーマンのための「言い訳」を提案していく。

参照リンク
 研究者による情報発信に関するページ

追記 いただいたコメントを受けて、続編を書きました。続「世間体」を気にかけながら書く

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メールからIPアドレスがわかることも多いらしい

 本館 で書こう書こうと思いながら、つい書けていなかったことを、いよいよ書くことにした。別に、わかっている人にとっては常識でしかないのだろうけれど。

 昨年夏に アクセスログと個人情報 のページを公開した直後、二人のかたから同じことを教えていただいた。「IPアドレスはメールのReceivedヘッダにも書き込まれる」ということだ。つまり、メールを送信したら、その相手にはこちらのIPアドレスがわかるということ。

 これを知ったときには、このことを自分のホームページで書くべきかどうか迷った。私のサイトには掲示板を付けていないからアクセス解析のことを解説するのに抵抗がなかったが、メールをくださるかたは何人もいる。メールでIPアドレスがわかるなんて書いたら、誰も私にメールをくれなくなるのではないかと思った。
 それから、本当にReceivedヘッダのIPアドレスと閲覧時のIPアドレスが同じなのか確認する方法がなかった。自分に来たメールのIPアドレスと生ログのIPアドレスを照合すればある程度できるはずだが、それは、メールをくださった方たちに申し訳ないと感じて、できなかった。
 かろうじてサンプルとして集められたのは、自分自身の自宅用アドレスと職場のアドレス、それから、このことを教えてくれた方たちは、自分のを見てもいいよという意味ではないかと勝手に解釈して、見てみた。
 こういうわけで、サンプルは4つしかない。その範囲でわかったのは

  • 個人用接続サービスプロバイダを通じてPOPアクセスをすると、閲覧時のIPと全く同じものがヘッダに入るらしい

  • 職場からのアクセスでは、IPは完全に同じではないらしい。(閲覧用とメール用でサーバーが違う場合?)でも、当然会社名はわかる

  • 個人向け接続サービスを経由してメールを出しても、POPアクセスでなければIPはメールサーバーのものになるらしい

全部推測だ。なにしろ、例数が少なすぎて。

 従って自宅からIPアドレスを隠してメールを送信したいときには、POPアクセスを避ければよいのかもしれない。
 私が自分宛てに送信して試してみた限りでは、@Niftyのアドレスの場合、@Niftyのトップページのメニューにある「メール送受信」を使ってブラウザ上でメールを送信すれば、ヘッダのIPはニフティのサーバーのものになるようだ。つまり、自分がふだん残しているIPアドレス(Yahoo!BBとかOCNとかの接続プロバイダのもの)を相手に知られることがない。
 ブラウザ上で送受信できるフリーのメールサービスは、Yahoo!やHotmailなど、いくらでもある。気にするかたは、どんな環境で送信したらどんなIPがヘッダに入るのか、一度チェックしておくといいと思う。

追記 続編あり ブラウザ経由のメールでもIPアドレスがわかるか

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2004.02.21

研究者・技術者のためのblog案内

 1月24日にこのblogを公開して、ほぼ一ヶ月が過ぎた。自分自身blogというものをよく知らなかったので、とりあえず始めてみて、なりゆきまかせで思いつくままに書いてきた。このへんで、本館から来てくださる読者向けに、blogというまだあまり知られていないスタイルを紹介しておく。(しかし、本館から読みに来てくれている人がいるのだろうかという疑問も・・・本館関係者からのコメントは一度もないし。)

更新頻度
 あれこれ説明するよりblogが広がっていくさまをリアルタイムで見てもらったほうが早いと思ってやってきたが、コメントへの返信を含めると、特にこの一週間はほぼ日刊ベースの更新になってしまった。こんな状況を最初に見てしまうと「blogというのは、ものすごく忙しそうだ。とてもあんなことはできない」と感じる人がいたのではないかと心配だ。
 私がめざしているのは、半年に一回更新するblog だ。blogだからこそ、半年に一回の更新でも固定読者に読んでもらえる。
 このところは「アクセス解析」という一般の関心が高いテーマを選んで書いているから忙しいことになってしまったが、研究者・技術者の皆さん向けに提案しているのは 分析化学/化学分析を延々と語る のような内容のblogなので、コメントが次々付く事態にはならないと思う。何週間も何ヶ月も間隔を置いて、中身の濃い記事が書かれ、静かにトラックバックが広がっていくようなのをイメージしている。

望めばどこまでも広げられる
 とはいえ、ここまでの記事を見てもらえれば、blogはどんどん広がるものであることも実感していただけたと思う。特に、トラックバックについてはblog独特のもので、説明を聞いてもピンと来なかっただろうが、ここ数日でいくつも実例が増えた。私が記事の中で「トラックバックします」と述べているリンク先をクリックすれば、むこうの記事に私の記事のタイトルや冒頭の数行が書き込まれているのを見つけられる。また、私の記事の後に「この記事へのトラックバック一覧です」とあって、他の人の記事のタイトル等が書かれている。これは、他の人が付けたトラックバック。
 blogはコメントとトラックバックという仕組みによって際限なく広がるようだ。だから、研究者・技術者のblogだけど、少しは専門外の人とも話したいという場合は、例えば残留農薬分析の苦労話みたいなものを書いて無農薬野菜系のblogにトラックバックを送ってみるとか、そんなことを試みるのも楽しいだろう。望めばそういう可能性もあるのがblogというツールみたいだ。
 逆にマイペースで行きたい場合は、コメント・トラックバックを受け付けない設定にもできる。(でも、せっかくblogをするなら、トラックバックはできたほうがいいと思うけど。)あと、ココログは特に交流が活発という特殊事情もあるだろう。

更新が簡単
 それから、普通のホームページと比較して更新が簡単という点を強調しておきたい。日刊ベースの更新ができるのも、掲示板に書き込むような手軽さだからだ。本館のほうでは、記事を一つ書いたら新着情報欄も更新しなければならないし、ファイルのアップロードのためにFTPというソフトを立ち上げる必要もある。
 ココログでは、記事さえ作れば、「最近の記事」欄やバックナンバーやサイト全体のリンク体系が自動的に生成される。これだけのことを手作業でやったらかなりの手間だ。
 何より、HTMLの勉強をする必要がない。すぐにでも始められる。ただし、基本的なタグは覚えるほうがいいけど。

使いづらいと感じる点
 一方、不便さを感じる点もけっこうある。第一に、ページのデザインが短い記事向けだということ。
 私が書きたい分析化学の記事は、だいたい2,000字から5,000字くらいのものが多い。一方、読みやすさを考えると、一記事が3スクロールくらいには納まるようにしたい。すると、ブラウザのウインドウ全体を使って表示するのが最も効率がいい。ウインドウの大きさは閲覧者が調節するという前提で。
 ところが、このココログのデザインは、改行幅が固定されていて、長い記事を載せると延々とスクロールして読むことになる。ついでに、文字サイズも固定だから、字が小さすぎると感じる人もいるのではないか。
 それに、「バックナンバー」のページは、記事のタイトルだけリンク付きで並んでいれば十分だと思うのだが、なぜか記事そのものがずらーっと並ぶようになっていて、冒頭にタイトル一覧があるわけでもない。こんなところに長い記事があったらスクロールの嵐で、過去記事を読むのはものすごいストレスになる。
 というわけで、分析化学/化学分析を延々と語る の記事を本館と並行してこちらにも載せていきたいと思いつつ躊躇している。こちらではコメント・トラックバック用に冒頭部分だけ載せて、全文は本館で読んでもらうようにしようかとも考えている。
 これからblogを始めて長い記事を書こうと思っている方は、いろいろなサービスを比較して、自分の書きたいものに合うのを選ぶのがいいと思う。

 それからショックだったのは、職場によってはblogは閲覧禁止サイトになっていて読むことができないらしいと知ったことだ。
 専門的なページは、検索で拾われて仕事に役立つというきっかけから知られていく。職場から読めないのでは、せっかく書いた記事が役立てられる機会が少なくなってしまう。いったいどの程度の範囲の職場で閲覧禁止になっているのか、ほそぼそと調査中。情報をお持ちの方は教えてください。

普通のホームページと比較してどちらが適するか
 そもそもblogは日記用のツールだから、専門的な小論文に向いていないのは仕方ない。それでも魅力的な機能があるから使うのか、やっぱり普通のホームページのほうがいいのか、さらに使ってみてから、いずれまた記事にまとめてみたいと思う。

 最後に・・・
慶應義塾大学環境情報学部 船木信宏さんのBookmark から 私のblogの理想形と暫定形 に対してトラックバックをいただきました。昨日の記事で心理学関係のblogへトラックバックしたことから、私のblogを見つけていただいたようです。プロフィールにOrkutという集まりのことが書いてありますから。

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アクセス解析していないことを検証できない場合

 このblogの 「アクセス解析しません」宣言 もここまでの議論も、アクセス解析していないことを客観的に検証できるという前提で行っている。検証できないのに主張するとなると、「オレの言うことが信用できないのか」という感情論に行き着く場合が多い。私は科学者の端くれなので、そういう話はあまり性に合わない。

 初心者のために少し詳しく書くと(私も初心者)、現段階のココログでは、訪問者にわからないようにアクセスログを取るのは不可能だ。というのは、@Niftyはblogオーナーにサーバーのログを提供していないし、SSIという技術を利用することもできないからだ。この条件でログを取るためには、「マイリスト」の中などに解析用のタグを埋め込む必要がある。そして、バナーの表示されない解析サービスを利用しようが自作CGIを使おうが、ページのソースを見ればログを取っていることがわかってしまう。
 だから、ログを取りながら「取っていません」と公言する人がいたとしたら、それは相当の冒険ということになる。閲覧者の大部分は初心者かもしれないが、中にはすごく詳しい人もいるから、「取っているじゃないか」と指摘されたら大恥をかくだけでなく、信用も丸つぶれになる。

 こういう条件のもとで私は「アクセス解析していません」と宣言している。

 でも、サーバーログが提供されていたりSSIが使える環境でサイトを開設している人はどうしたらいいか。@Niftyも将来的には解析サービスを提供するらしい。どんな内容になるのか。ログを取得しているかいないか検証できないシステムになる可能性もある。その場合は、私はそのことも併記しようと思う。「私はアクセスログを取っていませんが、それを実証する方法はありません」というように。
 このように、ログ取得の有無を検証できない場合は、できる場合よりも情勢は微妙だ。サイト開設者のセンスがより鋭く問われるとも言える。
 一つの道は、「アクセスログに関していっさい言及しない」だと思う。ログを取っているかいないか確かめようがないならば、ログのことなど訪問者に思い出させもしないほうが、サイトオーナーとして親切だとも考えられる。実害はない、気持ちの問題なのだから。
 また、ハッとするような鮮やかなやり方もある。徳保隆夫さんのサイト では、アクセス解析 という断り書きがあって、

当サイトでは様々な方法によってアクセス解析を行い、多くのデータを取得しております。私が利用する解析プログラムのひとつは、サーバのログを参照しています。したがって、私に一切のデータを取得させずに当サイトを閲覧することは(ほぼ)不可能です。私が得たデータはすべて当サイトで公開される可能性があります。一部は既に、誰もが閲覧可能な状態となっています。

と書かれている。こういう風にあっけらかんと宣言されると、かえってさっぱりしたりする。
 
 なにしろ気持ちの問題なので、人によって受け止め方はさまざまだし、サイトオーナーの個性が現れて面白いとも言える。私の場合は、幸いログ取得の有無を検証できる環境なので、一番ラクでシンプルな道を選んでいる。

お知らせ:アクセス解析の話をまだ続ける用意はありますが、今後はコメントも含め週2回くらいの書き込みにしたいと思います。

参考リンク
Shinさんのコメント アクセス解析していませんとウソをつくサイトオーナーが出現するのでは?という話
Tigerさんのコメント これから提供予定のココログの解析サービスについて

追記 続編あり  メールからIPアドレスがわかることも多いらしい

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2004.02.20

コメントへのお返事(アクセス解析)

 blogを通じて継続的な人間関係を作っていく過程で、自分のアクセス記録が相手に把握されることに抵抗感を持つ人たちがいる、ということについて話しています。
 一日に4人のかたからコメントをいただいたので、記事としてまとめてお返事を書くことにしました。私のblogは基本的に、まとまりのある論旨を論文調に展開する形に固まってきていますが、コメントに対するコメントは会話調で書いています。この記事はコメントですから、こういう書き方になります。

アクセス記録を見られても抵抗を感じない相手の範囲
 たいていの人には、自分のアクセス記録を知られてもかまわない相手と気になる相手とがいるのでしょう。当然ながら、その範囲には大きな個人差があると思われます。
 むしろ積極的にアクセス記録を残したいという御意見も。アルマさんのコメント では、「好きなサイトがアクセス解析をしてくれない、或いは個人を特定出来ない所だと、定期的に掲示板に書き込んで挨拶しないと忘れられてしまいそうで逆にそれがプレッシャーです。」とのこと。
 でも、参照記事 アクセス解析してるサイトけっこう好き には、「もちろんかなり親しい相手だからそんな話をしてくれたのであって、普通は『あなたがいついつ見に来たのは判ってます』なんていきなり言うべきではないだろうけど」と書かれていて、抵抗感を持つ人がいるという点については共通の認識のようです。
  よとさんのコメント 「自分の足跡を特定してほしい人もいるのですけれども特定してくる(というか特定しているのではないかと推定される)人は特定してほしい人でなかったりするのです」は、微妙なところをうまく突いてるなと思いました。
 私の場合、自分のアクセス履歴を取られても見られても全然気にならない相手は、離れて住んでいるきょうだいくらいです。こういう対人関係での距離感覚というのは、心理学で相当研究されている分野ではないかと思います。なぜ気になるのかとか、どんなボーダーで気になる範囲が決まるのかとか、何か理論があったら面白いですね。

可能性の問題/ウソをつく管理者
 nariさんのコメント、お身体の具合は小康状態になられたようですね。あまり無理しないでくださいね。「アクセス解析を入れている人の全員が、アクセスログを解析しているのか?」というお話です。おっしゃるとおり、してないでしょう。生ログを初めて見たときは誰でも新鮮でしょうが、ある程度経過したらもう見なくなるのが普通だと思います。
 特定の相手のログを読むこともできるという可能性の問題ですね。BSEだって、非常に低い確率ながら感染の可能性があるから対応されるわけで。
 Shinさんのコメント は、「訪問者を特定しないアクセス解析と偽って、わからないように特定する管理者」が出現するのではないかということです。まあ、そういう人も出てくるかもしれませんね。
 しかし、議論の中心は、実害のない抵抗感レベルの話だと思うんです。「訪問者を特定しません」とウソをついて実は特定するような人物と、人間的な付き合いを深めようとは思わないでしょう。そんな最低基準はクリアする相手を選んだ上で(その判断が真に正しいかどうかはともかく、そんな相手ではないと一応安心して)、コメントやトラックバックを送ってつながっていこうと考えるのでは。

ココログ内で心理学をテーマにしたblog
 心理学に詳しそうな方から、何か面白い話をうかがえないかなと期待して、不躾ながら、それぞれ最新記事にトラックバックさせていただきます。不要なら削除してください。恋愛関係(に発展しそうな場合)ではどうかなんてのも、興味ありますね。

 「心理学」をキーワードに検索してみました。
心理学にまつわる活動日記 東京都立大学で社会心理学を学ぶかつやさんのblog。
あさくらの臨床心理士への道 臨床心理士志望で、再び大学を目指して勉強中の銀行員、あさくらさんのblog。

 日刊ココログガイドで紹介されたblogも。
ゆうの恋愛指南 2003.12.29 紹介の、ゆうさんのblog。
恋愛系ビジネスノウハウblog 2004.02.06 紹介の、さえこ先生のblog。

追記 続編あり  アクセス解析していないことを検証できない場合

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2004.02.19

「訪問者にやさしいアクセス解析」

 アクセス解析の話は一応終息していたかのようでもあったが、話題にしたら予想以上のコメント・トラックバックをいただいた。この根底には、繰り返し議論になってしまう(しかもしばしば扇情的な議論に)システム上の問題があるような気がする。どこに問題があるのか、また、解決策はないのか、私なりの考えを書いてみる。
 最初に、私自身のネットコミュニティでの経歴を少し。私は1988年頃、「パソコン通信」という言葉があった時代に初めてPCとモデムを買い、同時にニフティサーブのIDを取得した。フォーラム、草の根ネット、クローズドのグループ内でのネット、インターネット時代になってからの掲示板、大小のメーリングリスト等、その時々の関心と必要に応じて、ネットを通じたコミュニケーションを楽しんだり役立てたりしてきた。

「アクセス解析」に対する反応
 「自分のアクセス記録を取られるのがイヤか、別にかまわないか」という点に議論の取っ掛かりは集中する。最大公約数的な反応は、次のような感じではないか。(かなり大ざっぱ。)

  1. 商用サイトや公的サイトにアクセスログが残るのは全然気にならない。

  2. ただし娯楽的な内容のサイトに職場からのアクセスログが残るのは(個人が特定されなくても)まずいと思う。

  3. 個人サイトにアクセスログが残っても、自分と特定されない場合には気にならない。

  4. 個人サイトにアクセスログが残り、かつ、ログの取得者に自分を特定する情報も同時に渡る場合、気になる可能性がある。

 人によって考え方が分かれていて議論になるのは、主に4番だと思う。「アクセスログはどんなサーバーでも取られているではないか」とか「職場からアクセスする奴が悪い」といった話は1番から3番に属することで、論点の中心ではない。「個人と個人が互いを認識して人間的な交流をする際に、アクセス解析が何らかの障壁になるのではないか」というのが問題の核心だ。

個人を特定できるアクセスログ
 ではこの「個人サイトにアクセスログが残り、自分を特定する情報も同時に渡る場合」について、もう少し詳しく見てみる。
 私が書いた中で最も刺激的だったのは、「アクセス解析しません」宣言は、はた迷惑? の中のこの部分だったようだ。

 よそのblogにコメントやトラックバックを付けたら、自分のIPアドレスが相手に通知される。その相手がアクセス解析データを持っていたら、通知されたIPを手がかりに、自分のこれまでの閲覧履歴を抽出することができる。最初に来訪したのはいつ頃で、どのリンクまたは検索語をたどってきて、どのくらいの頻度で、どのくらい時間をかけて読んでいたかまで、全部わかる。また、訪問時間帯は夜だとか昼間だとか、生活パターンもなんとなくわかる。

 色々な反応が出たが、集約すると「自分を含めアクセス解析を行っている人たちは、自身の良心に基づいて、そんなことはしない。そんな想像をされるだけでも不愉快だ」ということだった。
 つまり、アクセス解析を行う人たちにも、IPアドレスで抽出して特定の個人の閲覧履歴を読むような行為は良くないことだという認識があるらしい。以後の話は、このことを前提に書く。もしも「個人の閲覧履歴を抽出しても全然かまわない」という反論があれば、以下の話は無意味だ。
(念のため。この場合の「個人」はネット上の人格として特定されている個人であって、誰かわからない適当なIPアドレスをサンプルとして取り出して閲覧行動を調べてみるような行為は問題にしない。)

ログを取る人の良識に任されている部分
 ここまでの話で明らかになったのは、アクセス解析に関して、暗黙のルールとしてやってはいけないコトがあって、それをするかしないかが全く各人の良識に任されているということ。そして、その行為をするのは、特に難しいことでもなんでもなく、解析画面でちょっと操作するだけで、こっそりとできてしまうということ。
 こういう状況で「自分はそんなことはしない」と言う人も、アクセス解析をしている人全員の良識までは保証できないだろう。また、「ログを取っている人にはこういうことができる」と言われるだけで、自分が疑われているような気がして不愉快になってしまう。不愉快な気持ちはわかる。でも、「できる」ことも事実だ。アクセス解析する人としない人が混在している以上、似たような話は繰り返されるに違いない。この状況って、何とかならないのだろうか?

必要十分なアクセス解析
 私の提案を先に言ってしまうと、「個人を特定できず、かつ、サイト管理者が知りたい情報は手に入るアクセス解析」そういうものを@Niftyが提供すればいいのではないか?ということだ。
 ココログをする人にとって、IPやドメイン名は必要だろうか。私はビジネス向けのサイトを運用しているから、どんな会社からの訪問が多いかは確かに重要な情報だ。常に訪問者の仕事の内容を意識して記事を書いてきた。でも、自宅からの訪問者がYahoo!BBを使おうがぷららを使おうが、サイト作成にとってはどうでもいいことではないか。(ADSL、ISDN、ダイアルアップ等の比率は知りたいかも。)
 なまじ個人を特定できるデータを持っているから嫌な思いをするのだ。リンク元ごと、ページごと、検索語ごとのアクセス数など、サイト作成者にとって知りたいことだけを統計的に示してくれるアクセス解析はどうか。これを付けているサイトには「訪問者にやさしいアクセス解析」という感じのバナーが表示されるとか。
 ココログにもいろいろなblogがあるから、全部のblogにとは言わない。でも、そういう解析サービスがあれば使いたいという人も多いのではないだろうか。

ココログだからこそ
 ココログ内には、今までのインターネット的常識の範疇外の議論が多いとも言われる。私は、これはむしろ当然だと思う。
 ニフティサーブ時代からの@Niftyが提供してきたネット空間は、端的に言えば2ちゃんねる的な世界とは対極を成すものだ。一方に、ネットにおける匿名性や統制の掛けにくさを最大限に利用して、瞬間的なコミュニケーションを楽しむ空間がある。それはそれでいいと思う。
 でも、私はフォーラム的な場所に居心地のよさを感じてきた。普通の人間関係並みの礼儀や気遣いが守られて、わずらわしさも温かみも同居する、継続的な人間関係のほうに。そういう人間関係を結んでいくのに、互いの手元にアクセス履歴が残っていくようなシステムは、なにがしかの障害になるのではないか。

 「それがネットの常識だ」といった言葉に丸め込まれる必要はない。目指すところが違えば、最適なシステムだって違って当然なのだ。自分にとって居心地が悪いなら、表明すればいい。フォーラムのようなコミュニティはフォーラムにしかないし、ココログだってonly oneだ。日本の住宅には必ず「玄関」がある。自分の私生活に他人を踏み込ませたくない気持ちが強い国民性だと思う。こういう国のblogが、気になるところをそっと隠す仕組みを工夫して発展させていくのも、面白いのではないか。

 こういう議論では、どうしても「アクセスログを気にするなんて意識しすぎ」という声の方が大きくなりがちだ。でも、気にする側の人たちは、そもそもネット上で発言すること自体をためらうだろう。アクセス記録を気にしなくてもいい環境が少しでも整えば、そういう無言の人たちがココログの世界に入ってきやすくなるかもしれない。「IPやドメインを特定しないアクセス解析」、@Niftyに要望します。

関連リンク
JavaScript ON/OFFの割合 --- Books by 麻弥 より。麻弥さんはインターネット歴が長いかたで、初心者向けの安全講座も書いておられる。この記事で述べたことについては、既にこんな文章が。

私は自分の足跡が知られては困るようなサイトは閲覧してませんが、それでも統計データならともかく自分の閲覧履歴の生ログをチェックされていたらちょっと嫌。
逆にアクセス解析を行う側は、必要以上の情報を知ろうとしないことが大切なんだろうなあと思います。物理的に可能なことを、モラルだけで押さるのは無理かもしれませんが…

ココログスタッフルーム 「BLOG」を広める方法 ネットは怖いと感じる初心者のために、システム面にも気を使っては・・・ということで、トラックバック。

追記
 麻弥さんのページのMEMOに関連した記事 six olq: JavaScript を無効にしているユーザ が掲載されたので、トラックバック。

続編あり  コメントへのお返事(アクセス解析)

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2004.02.16

blogでのアクセス解析とセキュリティ

 アクセスログを取らないことを表明したらセキュリティ上の問題が何か起こるだろうか?ということを考えてみる。
(まだblog版での書き方のスタイルが定まらなくて落ち着かないが、やはり私は論文調に慣れているから、基本的に本館と同じ書き方で行こうと思うようになった。あまり議論調にならないように、参照記事は末尾にまとめて示すことにする。)

悪意のある行為の対象になる可能性
 まず、このblogが、セキュリティ対策が必要なほど悪意ある行為の標的になる可能性はどのくらいあるかという点について。
 このblogのテーマは、「専門的な仕事をしている人が専門知識に基づくホームページを作るには?」ということだ。いずれは 本館 で書いているような専門的な内容そのものをこちらでも載せたいが、今はblogというものの仕組みの紹介や、blogの書き方に関する考察などを書いている。
 悪意の対象になるということは、何らかの感情的なもつれの結果だろうけれど、こういう固いマイナーなblogでそんなことが起こるのだろうか。あるいは、ここで表現している私という人物像が魅力的で、ストーカー的な行為の対象になるとか?
 このように考えると、わざわざセキュリティについて書くなんて、自意識過剰ではないかと言われるかもしれない。でもどんなblogでも、悪意のある行為の標的になる可能性はゼロではないでしょう?ということで、考えてみる。

悪意のある行為って?
 悪意を持って特定のblogに仕掛けられる攻撃として、どんなものが考えられるだろう。私はそんな修羅場に出くわしたことがないので想像してみると、

  • blogにアクセスする

  • blogにコメント、トラックバックする

  • 他のホームページ等で、そのblogの悪口を書く
といったことだろうか。そして、それぞれについて、アクセス解析がどの程度対抗手段になりうるかにも、いく通りかが考えられる。
  • 日頃からアクセス解析していれば未然に防げる、または被害を最小限にできる場合

  • 何か被害を受けた後に、臨時的にアクセス解析を行えば対処できる場合

  • 事前・事後に関わらず、アクセス解析は役に立たない場合
 私は、実際に何か被害があってログ取得が有効な対抗手段になりそうな場合にまでかたくなに避けようとは考えていない。そんなことがあれば、アクセスログを取るだろう。(もちろん、ログを取っていることを目立つところで告知するし、それによって読みに来なくなる善意の読者がいても仕方がない。)
 そういうわけで、日頃からアクセス解析することによってどんなセキュリティ上のメリットがあるのかを中心に、以下にまとめてみる。

「単にアクセスする」という攻撃
 「アクセスする」ことのみで攻撃された場合、アクセス解析しか対処法はないだろう。
 でも、単にアクセスすることで、どんな攻撃ができるか。私のblogを1日に1万回リロードしてMyblogListのアクセスランキングの上位に出現させ、さらしものにするとか?そんなことをされたらイヤだけど、でも、ものすごく困るというほどでもない。そういう攻撃を恐れて日頃からアクセス解析するという行動にはならない。

悪意のコメント・トラックバック
 ココログでは、コメントまたはトラックバックした相手のIPアドレスがオーナーに通知され、ブロックもできるから、アクセス解析していてもしていなくても、あまり大きな違いはないと思う。
 アクセスログを持っていれば、攻撃者の経歴(いつごろ最初にアクセスして、どの程度頻繁に訪問していたとか)はわかる。それは少しは何かの参考になるかもしれない。
 また、IPでブロックしてコメントができないようにした後にアクセス解析して、まだその攻撃者が閲覧しに来ていないかどうかをチェックして安心したり警戒したりできるだろう。これは、事後に行えば十分だ。
 でも、本当に悪質な書き込みをする場合は、自分が普段使っているIPアドレスなんかでアクセスしないと思う。たぶんプロキシ経由かネットカフェでも使う。それにそういう悪意の人は、普段だってJavaスクリプトをOFFにしたり画像読み込みをOFFにしたり、ちゃんと解析にかからないようにしているのではないか。

他のホームページ等での誹謗・中傷
 おそらく、日頃のアクセス解析が一番役に立つのは、この場合だろう。ログを取っていなければ、どんな悪意のリンクをされていても気が付きようがない。
 このことを重視するかどうかは、blogオーナー本人の性格や価値観が大きく影響すると思う。悪口を言われていても、自分の知らないところでならいいや、と感じるか、悪口を言われているなら探し出して内容を知りたいと思うか。こういうことって、ネットに限らず日常生活でもよくある話だ。私は、自分の聞こえないところでなら悪口を言われても仕方ないという性格。
 いや、インターネットで書かれる悪口は日常的なのとは質が違う。世界中からアクセスできる公共の場所ではないか。との反論もあるかもしれない。
 でも、誹謗・中傷が書かれるようなところは、有用で信頼されていて閲覧者が多いサイトではないものだ。そういうところで何か書かれたとしても、私を知っている人が見る確率は極めて低いから、事実上は公共の場でなく陰で言われているに等しい。私の氏名で検索して出てくるような書かれ方をすれば確かに私の知人の目に触れるが、そんな場合は発見が容易でアクセス解析は不要だ。
 それから、本当に悪意のあるリンクは、直接張ったりしないだろう。URLを一文字抜くとか、Googleの検索結果にリンクするなどの方法を使うものだ。そういうリンクのされかたなら、アクセス解析していたってわからない。

まとめ
 というわけで、アクセス解析の有無で実質的に一番大きな差が出るのは、直接リンク付きの悪口を書かれた場合に気づくか気づかないかという点ではないだろうか。セキュリティ上のことで素人の私が考え付くのはこれくらいで、こういうことも加味した上で、このblogではアクセス解析しないという結果になっている。

参考リンク

追記 続編あり 「訪問者にやさしいアクセス解析」

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2004.02.13

「アクセス解析しません」宣言は、はた迷惑?

 it1127さんの アクセス解析/分析こそすべて には、アクセス解析に関して何か書こうとしていたのに私の記事で「出鼻を挫じかれた」とあった。よそのblogがどんな方針を表明しようと勝手ではないかとも言えるが、「アクセス解析しません」宣言には、若干はた迷惑な側面があるのは確かだ。

 私の場合は、本館サイトの特性(=仕事中にアクセスする人が多い)が主な背景だ。これは他のblogオーナーにとって利害関係がない。でも、「アクセス解析されるのは何となくイヤ」という読者としての感覚的な問題も挙げている。これはアクセス解析しているblogオーナーにデメリットをもたらすかもしれない。

 アクセスログを取られたからといって、たいていは「なんとなくイヤ」のレベルであって、実害などほとんど考えられない。こういう場合には、そのイヤなことを思い出す頻度がどの程度高いかが不快さの決定要因になるのだ。わざわざ「アクセス解析していません」と宣言するblogは、スーパーで並んでいる普通の野菜の隣に、目立つ字で「無農薬」と表示された野菜が並んでいるようなものかもしれない。

アクセス解析の有無はアクセス数に影響するか
 ところで、アクセス解析の有無は、アクセス数に影響するのだろうか。少なくとも、読者としての私の行動には影響している。

 よそのblogにコメントやトラックバックを付けたら、自分のIPアドレスが相手に通知される。その相手がアクセス解析データを持っていたら、通知されたIPを手がかりに、自分のこれまでの閲覧履歴を抽出することができる。最初に来訪したのはいつ頃で、どのリンクまたは検索語をたどってきて、どのくらいの頻度で、どのくらい時間をかけて読んでいたかまで、全部わかる。また、訪問時間帯は夜だとか昼間だとか、生活パターンもなんとなくわかる。

 そんなことを想像すると抵抗感があり、解析しているサイトにはなるべくアクセスしないでおこうと考えてしまう。リンクをたどって一度だけ訪問するblogについてはあまり気にならないが、RSSリーダーに登録しているようなお気に入りblogには、将来コメントやトラックバックを残すかもしれない。従って、RSSデータだけ読めばすむ記事はわざわざ読みに行かない。(リーダーは今のところパラボラミニを使っている。)
 一方、Tokyo Forum のようにアクセス解析しないことを表明しているところは、気軽にブラウザを開いて読みに行く。やっぱり、オリジナルのほうが楽しいし読みやすい。

 このように行動を変える読者がどのくらいいるかわからないが、自分の場合を書いてみた。もっとも、それぞれのblogの目的が重要で、アクセス解析が目的に役立つなら積極的に使えば良いと思う。ちなみに私の目的は 私のblogの理想形と暫定形 に書いたとおり、分析化学の専門家によるblogが増えることだ。この目的のためには、自分のblogにアクセス解析は不要だと思っている。

追記:続編あり  blogでのアクセス解析とセキュリティ

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アクセス解析していないことを証明するには?

 「アクセス解析は、しません」と書いたら、色々なかたがトラックバックやコメントで私の知らなかったことを教えてくださった。ココログってすごい・・・
 私が一番念頭に置いているのは、全国の様々な会社や公的機関から仕事上の必要で 本館 にアクセスし、その流れでこのblogへも来られる方たちだ。あらためて注意喚起しておきたい。


blog(に限らず個人ページ全般)には、熱心にアクセスログを取る管理者が大勢いる。
このblogはアクセス解析していないが、ここからリンクしている他のblogへ職場からアクセスするのは慎重に。

 それから、ココログ内のかたへ。別の記事では何回かことわっているが、私の専門は化学分析(例えば食品中の残留農薬分析)で、コンピュータのことにはまるで詳しくない。

アクセス解析していないことをどうやって証明するか
 Tigerさんのコメント 、「アクセス解析していません」バナーは、近い将来本当に出現するかもしれない。でも、その宣言がウソでないかどうかチェックする方法というのも、確かに難しい問題だ。
 まず、Tigerさんがお書きのようにココログ自体が解析サービスを始めたら、私のココログがそのサービスを利用していないことをどうやって証明するのか。できれば、そのサービスはJavaスクリプトのタグを埋め込むものになってほしい。サーバーログ利用のものだったりしたら、証明は本当に難しくなる。

 それから、「観測気球」さんからのトラックバック によれば、MyblogListのJavaスクリプトにはアクセス解析用のコードが仕込まれているそうだ。今はMyblogListはアクセス数だけカウントしているが、将来は解析付きの有料版のサービスが開始される可能性もあるのだろう。その際は、バナーに「アクセス解析非対応版」などと入れて区別してほしい。

ページごとのアクセス解析をするには
 「観測気球」さんの記事と、KITORAさんのコメント によれば、ページごとの解析は可能らしい。「観測気球」さんは自作のCGI(私には手の届かない世界)、KITORAさんは某サービスのようだ。
 私が利用したことのある解析サービス(BIGLOBEとインフォシーク)では、タグの中にページ識別用コマンドが入っていて、ココログで使うとページの区別ができない。「観測気球」さんにトラックバックしている ウェブログのアクセス解析にまつわる悩み を読んだところ、ASPの解析でもページの区別はできないようだ。タグで識別する方式は一群のページをくくって大まかに集計できたりして便利な面もあるけれど、blogでの利用者が増えたら不満の声が大きくなるかもと思った。

 教えてくださったみなさん、ありがとうございました。

追記:続編あり  「アクセス解析しません」宣言は、はた迷惑?

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2004.02.11

アクセス解析は、しません

 このblogではアクセス解析をしていないし、これからもしない。本館 では開設時からレンタルCGIによる解析を利用してきたから、こちらではどうしようかと迷っていたのだが、しないことを決めた。

理由1:IP情報を取りたくない
 私の本館ページは、職場からアクセスする人が多い。「仕事中の空き時間を利用して学会誌や業界紙を読む」程度の位置付けで読まれることを前提に、内容を選んで書いている。(「個人ページの公開法」のページだけは例外。)
 しかしこのblogは、もう少し自由に書いていくつもり。つまり、職場で読むのははばかられるようなことも書くかもしれない。だいたいblogというだけで、職場では読みにくいと思う。それでも、あえて本館からのリンクをたどって読んでくださる人がいれば、素直にうれしい。職場にもいろいろあるから、全然気を使う必要などないのかもしれないけれど、私はログを取りません。

理由2:blogはプライベートな性格が強い
 大きなサイトにアクセスログが残っても平気だが、個人的な付き合いのある相手の場合は、やや気になる。例えば、アクセス時刻から生活パターン(何時ごろ帰宅して、就寝して、起床したか)が何となく推測できたりするから。
 ココログでは、コメントまたはトラックバックした相手のIPアドレスが通知される仕組みになっている。そして、blogで「個人的な付き合いがある相手」とは、すなわちコメントやトラックバックでつながった相手のことだ。blogで表現している「自分」が具体的な生活時間と共に把握される・・・別に、たいしたことではないかもしれないけど、ちょっと抵抗感。(現実にIPでフィルターして特定の個人のアクセス履歴を拾うようなことは、よっぽど相手に関心を持った場合しかしないだろうが。)
 それから、自分のページをリンクしてくれているところからのアクセス数やドメイン名を見るのは、なんとなく他人の情報を入手しているみたいで気になる。ついつい、そのホームページの内容でなく訪問者数から、値踏みをしたり先入観を持ってしまうことがある。

理由3:ページごとのアクセス数が取れない
 ココログの場合、解析スクリプトはサイドバーに入れることになり、どのページを開いても同じスクリプトが実行される。ページごとのアクセス数はわからない。私の場合、「どのテーマの記事がよく読まれているか」が一番サイト作成の参考になっている。これができないと、あまりページ内容の充実にはつなげられそうにない。(ページ内容の充実=読者にもメリット)
 検索語は、日本語の解説を書いているのが自分だけというような希少なものについては注意しておく必要があるだろうけれど、一般的な語の場合は、単なる人気語・流行語ウォッチング以上のことはなかなかできないのではと思う。ここでは本館ほど専門性の高いことを書くつもりはないから、検索語を知りたいとは思わない。

理由4:うっとうしい
 これはもう感覚的なものでしかないが、私が本館で利用しているインフォシークの解析の場合、ページ移動のたびにクッキーを書き込むようになっている。これがうっとうしいから、解析は主要ページだけにしてある。ところが、ココログではすべてのページにスクリプトが入る。つまり、日付順に10の記事を読めば10回クッキーが書き換えられるわけで・・・別にどうということはないけれど、なんだか嫌だなと思う。クッキー利用は、忍者システムズなど多くの解析サービスで共通している。
 「うっとうしい」の意味は他にもあって、ひとつは単純にページが重くなるということと、それから、分析屋の習性でデータ取ったら読まなきゃいけないような気がしてしまうということ。本館のアクセスデータだけでも消化不良なのだ。(読まずに消えていく。)もう増やしたくない。

 以上が、私がblogでアクセス解析をしない理由。
 次に、本当にこのページに解析スクリプトが付いていないかどうか確認する方法は、アクセスログが取られているページを見分ける を参考にどうぞ。
 このココログのページのソースを開くと、「src=」の文字列は2ヶ所見つかる。一つはココログのロゴの画像で、もう一つはMyblogListのJavaスクリプトだ。解析用スクリプトは入っていない。
 なお、ココログではCGIもSSIも使えないし、開設者へのログ提供もない。サーバーの仕様が公開されていないので、ココログのヘルプ へリンクしておく。
 実はココログ内では先月、アクセス解析をめぐってかなり議論があったようだ。解析したければレンタルCGIで解析するしかなくて、解析していることが目立つ、という背景があるように思う。それから、blogの特性上、お互いに解析しあうことになるわけで・・・これも議論が盛り上がった要因かもしれない。

 解析しないことに、心残りもある。知らないうちにリンクされていても気づくことができないということだ。でもそこはblogなので、知らせたい方はコメント・トラックバックでお知らせください。

 以下、参考リンク。

アクセスログと個人情報
 私の本館ページ中、トップ以外で最も多くのサイトからリンクされているのが実はこのページ。(テーマと関係ないのに。)IPアドレスからドメイン名を割り出す方法、アクセス解析されているページを見分ける方法、解析にかからない方法(JavaスクリプトOFFだけではダメ!)など書いています。

Tokyo Forum:アクセス解析に思う続・アクセス解析結局「アクセス解析」は・・・
 これらの記事が議論の中心だったようだ。訪問者として「アクセス解析されるのはイヤ」という気持ち。でも、単純に「解析するな!」ではなく、「よく考えて、意義を感じるなら続けてください」といった主張。

発熱地帯:ココログにはうぶな話が多い?
 「正直びっくりしてしまった。こういう話って、とっくの昔に終わっていたものだと思っていた。第一、今時アクセス解析をつけているサイトを避けたり、いちいち悪感情を抱いていたら、まともにネットを回るなんてできないと思うんだけど。ふつう企業のサイトはつけてるわけだしね。」と書いてある。

Earl Grey Tearoom:インターネットアクセスで流れていく情報
 IPアドレスから都道府県、市外局番、接続回線などがわかるサイト IPアドレス検索 (Ver.3.00)(サイバーエリアリサーチ)へのリンクが。勉強になりました。

追記:続編あり  アクセス解析していないことを証明するには?

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2004.02.07

仕事中に平然と開けるサイトデザインは?

 来月から 本館ページ のデザインを変更しようと思っています。前々から、あるかたに「津村さんのトップページはなぜか空白部分が多い。もっと詰めたほうがよい。トップページ(スクロールしない1画面だけ)でだいたいの様子がわかり、行きたい所へ行けるようなものが理想です」というアドバイスをいただいていました。が、なにしろ技術がないので、そんなページをどうやって作ればいいかわかりませんでした。このほど、やっとそういうスタイルシートを作れるようになりました。(実はそんなに難しいことではなく、私が勉強しなかっただけです。)

 この際、私のページを読んでくださっている皆さんと、見たこともない皆さんにおききしたいことがあります。仕事中に平然と開けるサイトデザインとは、どんなものでしょうか?思い切り主観的な御意見でいいですから、コメント・トラックバック・メールで教えてください。

 たいがいのホームページは、「仕事で仕事向けに作る」「仕事で遊び向けに作る」「遊びで遊び向けに作る」の3パターンの中のどれかです。私のように「遊びで仕事向けに作る」のはかなり特殊だと思います。
 ページ内容的には、堂々と仕事中に読んでもらえる(というか、仕事中以外読む気にならない)中身だと自負しています。(このblogは違いますが。)でも、後ろからぱっと画面を見られたとき、なんか遊んでるのではないかと思われるような見かけになったら、読んでいただきにくいと思います。

 私が思いつくところでは、仕事中に開きにくいサイトデザインとして

  • 背景色が黒・ピンク・赤・オレンジ。文字が白抜き

  • 大きなイラストや写真

  • やたらチカチカしたりテロップが流れたり、大きなアニメーション

  • 色使いがカラフルすぎたり、パステル調

  • あかぬけすぎている
というようなことが挙げられると思っています。(反対意見もあるかもしれません。)

 逆に、一番無難なのは、「背景色:白」だと思います。官公庁のページはだいたいそうなので。
 でも、明るいオフィスで読むぶんには白でいいのですが、自宅の照明の下で読むときには、画面全体が白はちょっとまぶしいと私は考えています。私のページへのアクセス数は「平日昼間」と「夜間・土日祝日」が半々くらいなので、両方の環境で読みやすいようにしたいです。

 そういうわけで、現在はこういう薄い青色を背景色に使っています。これは、 竹中明夫さんのページ の背景色のまねです。

 いつまでもまねさせていただくのも申し訳なく、デザインを変えるのをきっかけに色使いも変えようと思っています。

 例えばこの程度の緑色です。こういう薄い色はセーフカラーにはありませんし、ディスプレーによってはほとんど白に見えてしまったりするでしょうが、白く見えるならそれでもいいということで。(まぶしくていやな人は、自分で調整しているでしょう。)

 あと、各ページのタイトルは こういう色はどうかと思っています。 かなり固い印象ではないでしょうか。

 仕事中に開きやすいデザインについて、ほんの一言の御意見でも、どうぞよろしくお願いします。

追記 報告記事 本館のサイトデザイン変更

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2004.02.06

BlogPeopleで紹介されそうになった

 ブログピープル のトップページに一昨日から「ランダム・ピックアップBLOGサイト」というコーナーができた。そこで紹介しますというメールが来て驚いたのだが、取り止めになったらしい。理由は、このページにBlogPeopleのバナーが貼ってないから。
 実は、バナーは プロフィール のページに貼ってある。本文ページにバナーを貼ると、ページを移動するたびに読み込まれて重くなるから、MyblogListだけにしてある。
 しかし、まだ開設2週間で、記事も10個に満たないblogを紹介しても・・・その上このblogは、「専門的な仕事をしている人が専門知識に基づくホームページを作るには?」というのが主題なので、普通にblogをやっている人にはほとんど関心を持たれないと思う。もっと内容が増えてから、また御縁があれば、紹介してください。(内容がどんなに増えても、このblogは一般向けにはならない予定ですが・・・)でも、そもそも、バナーがプロフィールページでは、資格なしかも。
 トラックバック先:2月6日のラッキーさん

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2004.02.04

blogとフォーラム(掲示板)は競合するか

 blogとフォーラム(掲示板)は競合しないのだろうか。ココログに関して言えば、これほどの盛り上がりは、フォーラムを通じて蓄積してきた人的資産を活用する@Niftyの戦略に成因があるように見える。こっちがにぎわう分、フォーラムのほうは寂しくなったりしてないのだろうか。

 私が継続して参加してきたのは「化学の広場」の「分析」と「情報」だけで、フォーラムの中でも本当に限られた範囲の様子しか見えないのだが、ちょっと現状と展望を書いてみる。
 「化学の広場」に関しては、ココログは全く何の影響も与えていないようだ。シスオペのHeroさんも他のメンバーも、ココログを始めたという話はないし、ほとんどフォーラム内で話題にもなっていない。

 これからblogを始める人が出てきたら、「化学の広場」から人が流れるのだろうか。私はどうも、そんなことはなさそうな気がする。理系の専門分野に限って言えば、フォーラムとblogでは、書ける内容に大きな違いがある。
 本当に大雑把な切り方だが、理系の公開掲示板では、「教えてください」型の発言と「○○が開催されます」といった単発情報型発言が大部分を占める。実のところ私も、「化学の広場」での発言(そもそも、あまり発言していないが)の8割がたは、この2パターンのどちらかだ。趣味系・生活系のフォーラムは違う。「そうそう、私も」的な共感型の発言が多くなる。
 質問型、情報提供型の発言はblogよりも掲示板に適するだろう。もともとこれらの発言が大勢を占める理系の掲示板では、blogへのシフトは起こりにくいと思われる。

 一方、blogは専門性の高い分野で新しい書き手を掘り起こすのではないか。つまり、理系の掲示板で成立しにくかった「共感型」表現の幅が、blogによって広がるのではないか。私が自分のホームページに掲示板を設置していない理由は、ひとえに「質問型」書き込みが怖いからなのだが、blogは始める気になれた。blogでは、科学の楽しみをマイペースで表現すると共に、他者の楽しみにもリンクできる。(今はどの分野も細分化・専門化していて、表現に字数が必要だ。)

 ところで、言葉による交流には「議論型」というのもある。成功した場合に最も生み出すものが大きく、期待も大きく、ついでになりゆきによっては負の効果も大きいのが「議論」だろう。blogはそもそも日記だから、議論には向いていないようにも見える。でもそれは、日常的に行われる議論の形と違いすぎるからそう見えるだけかもしれない。
 学術研究の世界では何百年来、論文が自説の主張スタイルだ。他者を説得するために、ある程度の字数を使って完結した論理を展開するというスタイル。多くの人がこういうことに習熟すれば、blogで議論は行われるだろうし、掲示板より実りの多い議論も可能かもしれない。

 で、最初の「blogと掲示板が競合しないか」については、理系のフォーラムでは棲み分けができそうだというのが私の感触。他のフォーラムではどうなのだろう。
 以下、論文の参考文献風にリンクを示してトラックバック。

 つながり続けられますか-フォーラム"vs"ココログII
 「反ブログ・フォーラム至上主義者のブログ・・・かも(笑)」とか。

 blog は議論に向かない
 システムの面から整理されていて、わかりやすいと思った。

  とりあえず
 Tokyo Forum のシスオペさんのココログの最初の記事。ここからざーっと投稿順にたどっていくと、ココログが始まった当座(たった2ヶ月前ですが)の熱気が、生で伝わってくる感じ。特に「いつの時代も先駆者がいてこそ」「たかが2週間、されど2週間。」あたり。それから、SYSOPが思うフォーラムでココログ は、フォーラムに昔のような活気を呼び戻したいという思いが。また「ココログには何やら不思議なパワーがある」という主旨のリンク・トラックバックが集まっているので、ここへ付けてみます。

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2004.02.01

半年に一回書くblogをめざして

 たいていの普通のサラリーマンが作れるホームページは、打ち上げ花火みたいなものだと思う。自分が特に得意なこと・まだ日本語でインターネット上に存在していないことが、一つか二つはある。それを文章にして公開する。あとはほとんど更新しない。リピーターは来なくなり、検索で拾われてぼちぼちと誰かの役に立つ。そういうホームページを私はめざしてきた。

 しかし、このblogという仕組みは、なかなかすぐれものだ。右側サイドバーの一番下に、「よそのお宅」というリンク集を作ってある。(3月26日追記:リスト名を「化学関連blog」に変更。)これは「マイブログリスト」というサービス。私が選んだblogへのリンクが並んでいる。単に並ぶだけでなく、最近更新されたものほど上の方に並ぶ。そして、24時間以内の更新のものにはNEW!の表示が付くように設定してある。

 この仕組みを使えば、半年に一回しか更新しないサイトでも、固定読者に読んでもらえるようになる。仮に、同じ関心を持つ20から30人くらいがblogを持っていて、それぞれが半年に一回更新すると考える。グループ全体では、だいたい週に一回の更新がある。誰か一人のblog(に表示されるリスト)だけを定期的にチェックしておけば、新しい記事が書かれたときに見逃すことはない。
 まあ、現実的には、更新の頻度は人によってばらつくだろうから、特に更新頻度の高い人のblogがポータルサイト的になると思う。

 個人ページでリピーターを確保しようとすると、だいたい日記か掲示板という発想になるけれど、読んでもらえる日記を書き続けられる自信のある人って、そう多くはないだろう。それに、上記のようなリストが実際動き始めたら、どうなるか。同じように半年に一回程度貴重な記事を書く人が2人いるとする。一人は毎日雑記的なことも書くし、もう一人はその貴重な記事しか書かないとする。同じグループの人たちにとってありがたいのは、ノイズを流さない人のほうではないだろうか。

 類似の表示サービスは、マイブログリスト以外にもある。 プロフィールのページ には、それらを利用したリストを並べてみた。動作はやや重いけれど、これらが今のところ私の目に付いたblog。
 それにしても、医薬品ができるまで のホーライさんのblogはいくつあるのでしょうか。とりあえず5つはリストに入れてみたけど、他にもあって、全貌はとても把握できない。

2004/5/3 追記
 プロフィールページに入れていたBlogPeopleのリストは、こちらのページに移した。

2009/1/24 追記
 マイブログリストとBlogPeopleをサイドバーからはずして公開RSSリーダーを設置した。(サラリーマン分析屋ブログ用RSSリーダー

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分析技術者のかた発見2

 まだまだ初心者状態だが、ココログ以外のblogからも検索することを覚えた。化学分析の仕事を生き生きと描写したblog発見。

 秋月日記 --- 分析屋・秋月とその同僚・綺羅の日々の記録と呟き
 女性2人で書かかれているらしい。秋月ナルさん記のものに、仕事の話が多い。首都圏で環境分析の仕事をしておられるようだ。以下、私がいいなと感じた記事の紹介。

 たまには現場もいいものだ。
 工業廃水サンプリング現場のたいへんな様子。でも、手足を使って思い切り働いた後は爽快だ。そんな充実感がよくわかる。

 CHNコーダと私

どうやらCHNコーダとは相性が良いみたい。
しかも、私の片思いではなくて、向こうも気があるらしい。
だって、私が他の人に教えて引き継ぎをすると、
引き継いだ相手が先にやめて、また私が担当することになる、
そんなことをもう何回も繰り返している。
まぁ偶然といえば、偶然。
でも、ちょっとだけ嬉しいかも。

 分析機器との深いつきあい。ひそかに機器と心をかよわせて、人間相手みたいな感覚を持ってしまう。そういう分析屋は多い。私もそうだ。

 仕事納め~モノを捨てられない人々~
 古いデータ・文献・マニュアル・記事・資料・・・そんなものがいっぱいたまっていくデスクまわり・・・オフィスに共通のことだけど、「データ」と「マニュアル」がある分、分析屋の持ち物は多い。

 私は 本館 でかなりの字数を使って分析のことを書いているが、同業者が読むことを前提にしていて、実際化学分析がどんな仕事なのか、見たことのない人にはピンと来ないと思う。秋月さんのblogはリアルだ。いま世間では何億円もの価値を生み出す研究開発のことが話題になっているけど、企業内の研究者・技術者には、こういう裏方もたくさんいる。分析屋は往々にして裏方だ。

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