研究者・技術者のためのblog案内
1月24日にこのblogを公開して、ほぼ一ヶ月が過ぎた。自分自身blogというものをよく知らなかったので、とりあえず始めてみて、なりゆきまかせで思いつくままに書いてきた。このへんで、本館から来てくださる読者向けに、blogというまだあまり知られていないスタイルを紹介しておく。(しかし、本館から読みに来てくれている人がいるのだろうかという疑問も・・・本館関係者からのコメントは一度もないし。)
更新頻度
あれこれ説明するよりblogが広がっていくさまをリアルタイムで見てもらったほうが早いと思ってやってきたが、コメントへの返信を含めると、特にこの一週間はほぼ日刊ベースの更新になってしまった。こんな状況を最初に見てしまうと「blogというのは、ものすごく忙しそうだ。とてもあんなことはできない」と感じる人がいたのではないかと心配だ。
私がめざしているのは、半年に一回更新するblog だ。blogだからこそ、半年に一回の更新でも固定読者に読んでもらえる。
このところは「アクセス解析」という一般の関心が高いテーマを選んで書いているから忙しいことになってしまったが、研究者・技術者の皆さん向けに提案しているのは 分析化学/化学分析を延々と語る のような内容のblogなので、コメントが次々付く事態にはならないと思う。何週間も何ヶ月も間隔を置いて、中身の濃い記事が書かれ、静かにトラックバックが広がっていくようなのをイメージしている。
望めばどこまでも広げられる
とはいえ、ここまでの記事を見てもらえれば、blogはどんどん広がるものであることも実感していただけたと思う。特に、トラックバックについてはblog独特のもので、説明を聞いてもピンと来なかっただろうが、ここ数日でいくつも実例が増えた。私が記事の中で「トラックバックします」と述べているリンク先をクリックすれば、むこうの記事に私の記事のタイトルや冒頭の数行が書き込まれているのを見つけられる。また、私の記事の後に「この記事へのトラックバック一覧です」とあって、他の人の記事のタイトル等が書かれている。これは、他の人が付けたトラックバック。
blogはコメントとトラックバックという仕組みによって際限なく広がるようだ。だから、研究者・技術者のblogだけど、少しは専門外の人とも話したいという場合は、例えば残留農薬分析の苦労話みたいなものを書いて無農薬野菜系のblogにトラックバックを送ってみるとか、そんなことを試みるのも楽しいだろう。望めばそういう可能性もあるのがblogというツールみたいだ。
逆にマイペースで行きたい場合は、コメント・トラックバックを受け付けない設定にもできる。(でも、せっかくblogをするなら、トラックバックはできたほうがいいと思うけど。)あと、ココログは特に交流が活発という特殊事情もあるだろう。
更新が簡単
それから、普通のホームページと比較して更新が簡単という点を強調しておきたい。日刊ベースの更新ができるのも、掲示板に書き込むような手軽さだからだ。本館のほうでは、記事を一つ書いたら新着情報欄も更新しなければならないし、ファイルのアップロードのためにFTPというソフトを立ち上げる必要もある。
ココログでは、記事さえ作れば、「最近の記事」欄やバックナンバーやサイト全体のリンク体系が自動的に生成される。これだけのことを手作業でやったらかなりの手間だ。
何より、HTMLの勉強をする必要がない。すぐにでも始められる。ただし、基本的なタグは覚えるほうがいいけど。
使いづらいと感じる点
一方、不便さを感じる点もけっこうある。第一に、ページのデザインが短い記事向けだということ。
私が書きたい分析化学の記事は、だいたい2,000字から5,000字くらいのものが多い。一方、読みやすさを考えると、一記事が3スクロールくらいには納まるようにしたい。すると、ブラウザのウインドウ全体を使って表示するのが最も効率がいい。ウインドウの大きさは閲覧者が調節するという前提で。
ところが、このココログのデザインは、改行幅が固定されていて、長い記事を載せると延々とスクロールして読むことになる。ついでに、文字サイズも固定だから、字が小さすぎると感じる人もいるのではないか。
それに、「バックナンバー」のページは、記事のタイトルだけリンク付きで並んでいれば十分だと思うのだが、なぜか記事そのものがずらーっと並ぶようになっていて、冒頭にタイトル一覧があるわけでもない。こんなところに長い記事があったらスクロールの嵐で、過去記事を読むのはものすごいストレスになる。
というわけで、分析化学/化学分析を延々と語る の記事を本館と並行してこちらにも載せていきたいと思いつつ躊躇している。こちらではコメント・トラックバック用に冒頭部分だけ載せて、全文は本館で読んでもらうようにしようかとも考えている。
これからblogを始めて長い記事を書こうと思っている方は、いろいろなサービスを比較して、自分の書きたいものに合うのを選ぶのがいいと思う。
それからショックだったのは、職場によってはblogは閲覧禁止サイトになっていて読むことができないらしいと知ったことだ。
専門的なページは、検索で拾われて仕事に役立つというきっかけから知られていく。職場から読めないのでは、せっかく書いた記事が役立てられる機会が少なくなってしまう。いったいどの程度の範囲の職場で閲覧禁止になっているのか、ほそぼそと調査中。情報をお持ちの方は教えてください。
普通のホームページと比較してどちらが適するか
そもそもblogは日記用のツールだから、専門的な小論文に向いていないのは仕方ない。それでも魅力的な機能があるから使うのか、やっぱり普通のホームページのほうがいいのか、さらに使ってみてから、いずれまた記事にまとめてみたいと思う。
最後に・・・
慶應義塾大学環境情報学部 船木信宏さんのBookmark から 私のblogの理想形と暫定形 に対してトラックバックをいただきました。昨日の記事で心理学関係のblogへトラックバックしたことから、私のblogを見つけていただいたようです。プロフィールにOrkutという集まりのことが書いてありますから。
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Comments
こんにちは、KITORA です。
さて、ココログのデザインについてですけど、
オリジナルのままだと確かに辛いですよね。
私も未熟ですけどスタイルシートをいじりました。
フォントについてもそちらで上手く指定すると、
閲覧者が好みに応じて変更しやすいサイズを選べるかと・・・
あとはバックナンバーですが、
私は表示されているページの見出し一覧スクリプトを
拝借してサイドバーに入れましたので、
カテゴリーなり、月別バックナンバーを表示した際に
見出し一覧のリストでタイトル一覧が表示されます。
津村さんの理想形にとする WEB に近づかせる為の
ブログなので、ある程度カスタマイズするのも
一つの手段と割り切るというのが良いかも知れませんね。
他の研究者の方にブログを WEB Tool としてお薦めする際は
既存の WEB に対して MT ベースで置き換えるという
アイデアは良いと思います。
その分余計なカスタマイズが必要になるのですけど、
トレードオフなのではないかなぁ等と思ったりしました。
Posted by: KITORA | 2004.02.23 01:29 AM
KITORAさん、いろいろ御教示ありがとうございます。KITORAさんのblog、模様がえされたんですね。色使いがしゃれてますね。
スタイルシートの書き換えは、私は完全に諦めてます。とにかく手間をかけない(技術もない)というコンセプトでやってますので、あるものを利用するだけです。それに、デザイン的なセンスがないのは自覚してますので、あまりデザインではオリジナルなのを作りたくないんですよね。
Posted by: ここの管理人 | 2004.02.25 05:39 AM