2025.09.28

今後はnoteで書きます

突然ですが、このココログ利用のブログで書くのはこれが最後になると思います。以後はnoteで書いていきます。

 津村ゆかり@分析化学(note)

正確にはすでに5日ほど前からnoteでの記事作成を始めていて、現時点で3つの記事があります。

なぜnoteに移るのか。理由はシンプルで、スマホ版での広告の多さにうんざりしているからです。
パソコンでお読みのかたには関係ないことですが、スマホ版で表示される広告は画面の2/3から全面を覆うほどで、スクロールしても消えません。消すための「×」は見つけにくく、やっと見つけてタップしてもうまく押せなくて広告元に飛ばされてしまう…といった具合です。イライラします。

それなら有料版にすれば良いではないか?
と言われるかもしれませんが、私の気持ちとしては、ちゃんとお金を払ってココログで書いてきたつもりです。というのは、もともとNiftyにアカウントを持っていて、メールアドレスも同じものをずっと使い続けているのです。これに月額275円を支払っています。

ココログのサービスは2003年12月に始まりましたが、その時、Niftyにアカウントを持っていれば誰でもココログを利用してブログを開設できました。当時の私としては、月額料金の中にココログ使用料も含まれるという感覚でした。当然、広告の表示はありませんでした。

その後月日は流れ、今ではNiftyメールは誰でも無料で使用できるようになりました。ココログもベーシック版は無料になりました。月額275円のサービスの案内は見当たりません。おそらく、昔の契約が残っているだけで、新規募集はしていないのでしょう。

私にとっては、メールアドレスは問題なく使えているし、パソコン版のココログには広告は表示されない、つまり始めた時と同じ利用条件です。Niftyは何もサービスを改悪していない。同じサービスを提供し続けてくれています。

変わったのはネット環境のほうです。今やパソコンよりもスマホで閲覧する人のほうが多いのではないかと思います。スマホでの利便性を考慮しないわけにはいかないでしょう。とはいえ、ココログプラス(月額495円)にするほどアクティブなブログでもありません。

noteで3つ記事を書いてみた結果、書き手側の操作性に大きな問題は無いと感じました。読み手側の見やすさは格段に向上しました。スマホ画面はもちろん、パソコンの画面もすっきり読みやすくなりました。

ブログの引っ越しというと過去記事までごっそり持っていく人もいますが、私は現在の利用条件が変わらない限り過去記事は移動しません。このブログは存在し続けます。全記事へのリンクはこちらに整理しています。

 技術系サラリーマンの交差点バックナンバー

お別れのようなしんみりしたことは書きません。このブログと 津村ゆかり@分析化学(note)は地続きです。何ごとも無かったかのように、器だけ替えて書いていきます。

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2025.08.03

「秀和システム新社」へ出版権移転

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「よくわかる分析化学の基本と仕組み」の出版権移転に関する書類が「秀和システム新社」から届きました。
雇用が維持されるか心配していましたが、少なくとも私の担当編集者は引き続き新社のほうで編集業務をされるとのことです。ほっとしました。

出版契約書は数ページあってけっこう物々しいので、これの結び直しは面倒だなと思っていましたが、提出を求められたのは
「出版権移転および継続利用に関する合意書」
という1枚紙で、旧会社との契約からの変更点だけ書かれているあっさりしたものです。これに住所・氏名・メールアドレスを書いて押印して返送すれば手続き完了のようです。

契約の変更点で気になるのは、増刷分の印税支払いが実売ベースから増刷部数ベースになる点です。
これまでは売れた分だけ支払われていたので、増刷の決定は割とすんなり行われていたと思います。しかし印刷分が一度に支払われるとなると、出版社側は増刷に慎重になるのではないでしょうか。本が必要な人のところへ在庫切れなく届いてほしいので、この点は気になります。
と言っても、印刷・流通・在庫抱えのコストに比べたら印税の占める比率は大きくなくて、増刷の判断にそれほど影響するものでないのかもしれません。(出版に詳しいわけではないのでわかりません。)

秀和システム破産の連絡から一か月、どうなることかと思いましたが、「合意書」の提出で一区切りとなります。あらためて、私は紙の本が好きだなと思います。(旧)秀和システムから発行されていた多くの本が引き続き流通する体制が整ってうれしいです。

本の写真:Image by fernando zhiminaicela from Pixabay

2025/8/6 追記
秀和システム新社が「よくある質問」を公開し、その中で、「今後も同じ編集者と仕事ができますか?」「可能な限り従来の担当者が継続して担当しておりますが、一部人員変更がある場合もございます。」と回答しています。
よくあるご質問(FAQ)

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2025.07.12

版元は「秀和システム新社」に

秀和システム破産について、前回記事で一著者として知る限りのことを書きました。その後ある程度状況が進展したので追加報告です。

250712_

 書籍の販売は継続中
一番心配したのは「よくわかる分析化学の基本と仕組み[第3版]」が必要な人のもとへ届かなくなってしまうかもということでしたが、幸い主要ネット書店で在庫切れは発生していないようです。店舗についても、丸善ジュンク堂書店の在庫を見る限り、平常どおりです。
 丸善ジュンク堂書店在庫状況
後述のとおり販売を継続する会社が決まりましたから、今後も心配はしなくてよさそうです。

 秀和システムウェブサイトも継続中
次に心配だったのは、正誤表の公開が継続されるかどうかです。
図解入門 よくわかる最新分析化学の基本と仕組み[第3版]サポートページ(秀和システム)
こちらの方も、事業譲渡を受けた会社がサイトの更新を始めたので、継続されそうです。

 「秀和システム新社」が出版事業引き継ぎ
どんな会社に出版事業が譲渡されるのか気になっていましたが、「トゥーヴァージンズグループ」の「秀和システム新社」と命名された会社が引き継ぐようです。

【お知らせ】株式会社秀和システムの出版事業譲受について(秀和システムサイトでトゥーヴァージンズグループが告知)
株式会社秀和システムの出版事業譲受について(トゥーヴァージンズグループ)

第2版は10か月ほどで増刷が決まりました。第3版はもう少し時間がかかるかもしれませんが、増刷はすることになると思います。その時、出版社名やシリーズ名が維持されていなかったら、カバーデザインなどの版組修正が必要になり、やっかいだと思っていました。社名から、秀和システムの出版事業の形をかなり維持したまま引き継ぐのではないかと期待されます。実際にどうなるかはわかりませんが…
雇用が継続される社員のかたがおられるかも気になります。

 東京地裁からの連絡
以下は本の供給とは関係ない経験談です。
東京地裁から「破産手続開始通知書」を受け取りました。「破産債権届出書」の用紙が同封されていました。これに記入して、6月30日に振り込まれるはずだった第2版の印税通知書のコピーとともに破産管財人の法律事務所へ送付するそうです。
めったに経験できないことなので、隅から隅までよく読みました。

① 破産者に対して債務を負担している者は,破産者に弁済してはならない。
② 破産者の財産を所持している者は,破産者にその財産を交付してはならない。

と書かれています。これが破産ということなのか…と感慨を抱きました。

冒頭の写真は東京地裁からと秀和システムから、2通の封書です。最初の出版から16年、紙質の良い秀和システムの封筒はいろいろな用途に再利用してずっと親しんできました。法的整理のお知らせが入っていたこの封筒が最後と思うと寂しいです。

2025/7/15 追記
こまかいことですが、秀和システムのサイトに掲載されていた「お知らせ」が7/14に更新されました。「ウォームアンドビューティフル」という会社の商号を「株式会社秀和システム新社」に変更するという内容で、元の会社の名前が入っているという違いです。本文中のリンクを付け直しました。

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2025.07.02

秀和システムが出版事業譲渡:著者視点での話

私の本の版元、秀和システムの担当者から、昨日(7月1日)17時頃に突然メールをもらいました。秀和システムは債務超過に陥り、裁判所を介して出版事業を他の出版社に引き継いでもらう手続きに入ったとのことです。

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出版不況と言われて久しいですが、秀和システムに関しては別の事情があるようです。このところ、出版とは無縁な別業界との関係が経済ニュースになっていました。詳しいことは私にはわかりません。

メールには
「書籍の販売も印税のお支払いもできない状況」
と書かれています。

書籍の販売ができない!
それはめちゃくちゃ困る。「図解入門よくわかる最新分析化学の基本と仕組み 第3版」は今年3月に刊行したばかりです。現時点ではAmazonなど主要なネット書店で販売が続いていますが、書店の在庫が無くなっても補充されないということでしょうか。
社会から必要とされている本と思っているので、読者に届けられなくなったら絶望しそうです。

いっぽう印税については、私はかなり幸運でした。
出版契約で最低保証の印税が決まっています。それは出版後まもなく受け取りました。いわば、今は印税を前払いしてもらっている状態。おかげで、第3版のために購入した多数の専門書、学会の会費や参加費、JASIS見学や宮崎県への取材旅行、酷使して壊れたプリンタの買い替えやインク代など、かかった費用はちゃんと回収できました。

しかし、6月30日に振り込まれるはずだった第2版の印税は振り込まれませんでした。第3版が出る直前に売れた分だけなのでたいした金額ではありませんが。

秀和システムの印税は3か月ごとの月末に振り込まれる契約で、おそらく6月30日には多くの著者への不履行が発生したのでしょう。著者全員が3の倍数月末の支払いなのか、それとも7月末や8月末のサイクルの人もいてばらけているのか、私にはわかりません。しかし、7月末や8月末の予定の著者も、受け取れる見込みは無いでしょう。

倒産した会社に債権者が詰めかける・・・漫画やドラマで時々見る「債権を回収できない債権者」に自分がなるとは。
人生いろんなことがあるものですね。

担当者からのメールには
「改めて新しい出版社と出版契約を結ぶことで書籍の販売をできないかご相談をさせていただきたく」
「状況が進展いたしましたら、改めてご相談させていただければ」
と書かれています。

できるだけ早く、安定した販売方法が固まれば良いなと思います。また、出版業務をまわしてきた方たちは経済ニュースになるようなゴタゴタとは無関係で、むしろ被害者だと思います。どうか事業譲渡後も仕事を続けられますように。

メールの返事には
「社員の皆様が一番たいへんでしょうが、良い状態で落ち着きますよう願っております。
 後日のご連絡をお待ちしております。」
と書きました。

今日のところはまだ情報が少なく、とりあえず一人の著者目線からの報告でした。

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2025.06.29

「質量分離」か「m/z分離」か

質量分析をしている皆さん、「質量分離」と「m/z分離」、どちらの言葉を使いますか?

個人的によく聞くのは「質量分離」だと思っています。

  • この装置の質量分離部はここだ。
  • 購入予定の装置の質量分離方式は?
  • TOF-MSはイオンが検出部に到達する時間に基づいて質量分離する。

といった使い方があります。

しかし、質量分析をやる人なら百も承知ですよね。実際にはイオンの質量で分けているわけではなく、m/zで分けているんだということを。
主要な用語集などではどうなっているか、調べてみました。この表のとおりです。

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IUPAC勧告(2013)では、立項はされていませんが「m/z separation」の語を使用しています。これに基づいている日本質量分析学会の用語集第4版(2020)も同じで、立項なしで「m/z分離」の語が使われています。

Grossの "Mass Spectrometry"(第3版)でも、1回だけですが「m/z separation」の語が使われています。(正確には「mass separation」の語も1回使われていますが、日本語の「質量分離」とは異なる意味。)

少なくとも英語では「mass separation」は分が悪いように思われます。しかしJISでは「質量分離」が圧倒的に優勢で、LC/MS通則では28回、ICP-MS通則では20回、GC/MS通則では6回使用されています。上の表は発行年順に並べていますが、2022年発行のICP-MS通則でも「質量分離」で、特に変化のきざしは無いようです。

正確でないとわかってはいるものの、「質量分離」は「m/z分離」よりも納まりがよくて伝わりやすい。私も当分「質量分離」を使い続けたいと思います。

2025/6/30 追記
「m/z分離」を通常推奨されている読み方で読むと「エムオーバージーぶんり」となり、「しつりょうぶんり」よりもかなり発音しにくい。

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